高齢者の食事づくり、作り置きおかずは冷凍保存でもっと便利においしく

日々の食事作りの時短化や、組み合わせによって献立を簡単に立てられるといったメリットがたくさんある作り置きおかずですが、冷凍保存する事で更に便利に活用する事ができます。

また、高齢のご家族に食事を用意する場合においてもおかずを作り置きして冷凍しておく事で保存性が上がり、毎日の献立のバリエーションが増えたり、離れて暮らしている高齢のご家族におかずを届ける際にも美味しく食べてもらえる期間が長くなる等のメリットがあります。

しかし、冷凍保存のメリットを最大限に活かし、安全に美味しく作り置きおかずを食べるためには冷凍保存する際に注意したいポイントもあります。

今回本記事では作り置きおかずを冷凍保存する事のメリットや注意点をお伝えし、実際に冷凍して活用できる作り置きおかずの簡単レシピもご紹介します。高齢者の食事づくりは毎食食材の選び方や調理法、味付けに悩みがちですが、「冷凍庫にあると安心」な一品のレパートリーを増やしてみませんか?

尚、作り置きおかずのメリットについてはこちらの記事でもお伝えしているので、よろしければ併せてご覧下さい。

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高齢者の食事づくりで作り置きおかずを冷凍保存する事のメリット4つ

高齢者の食事づくりで作り置きおかずを冷凍保存する事のメリット4つ

「作り置きおかずは便利だけど、もう少し日持ちさせたい」「食材をお得に買ったけど、使い切れるか不安」と思った事はありませんか?

そんな時には、作り置きおかずの冷凍保存が便利です。また、冷凍する事によって味がよくしみ、美味しさがアップする嬉しい効果もあります。

ここでは、高齢者の食事づくりで作り置きおかずを冷凍保存するメリットについてお伝えします。

冷蔵保存に比べて出来立ての美味しさを長期保存できる

冷凍保存のメリットは何と言っても冷蔵保存と比べて保存期間が長い事でしょう。

冷凍庫内の氷点下以下の温度では食品を傷ませる原因となる細菌の活動が抑えられるため、正しく保存すれば鮮度を保って長く保存する事ができます。

小分けにして保存できる

高齢になると、小食になる人も多く一度に食べられる食事量が少なくなりがちです。そのため、2〜3日で食べ切れると想定して用意したおかずが食べ切れないといった事も多くあります。

その様な時にはその人の1食分に合わせた量で小分けにして冷凍保存しておく事で、いつでも食べ切りサイズで提供する事ができます。

食材ロスを少なくする

旬の食材やお買い得だった肉や魚等はある程度まとめ買いをしたい気持ちにもなるでしょう。

しかし、生鮮食品は冷蔵保存では保存期間が短く、まとめ買いをしても食材を使い切る事ができないといった問題があります。その様な時には、まとめ買いした食材でおかずを作って冷凍したり、下味まで付けた状態で冷凍してしまう事によって食品ロスを減らす事ができます。

下味冷凍は火の通りが早く、味がよくしみる

根菜類や肉、魚等通常の時短調理では火が通るまで時間がかかったり、味がしみにくい食品も、下味を付けて冷凍する事で火が通りやすくなり、味もしみやすくなります。

これには、冷凍する事によって食品の細胞の壁が壊れる事や、温度が下がる事によって調味料の味が食品の中まで浸透しやすくなるという理由があります。

下味冷凍した食材は調味料の働きでそのまま冷凍するよりも食品の乾燥も防げる他、時短かつ出来立てを味わえるというメリットもあります。

作り置きおかずを冷凍保存する際の注意点5つ

作り置きおかずを冷凍保存する際の注意点5つ

作り置きおかずを冷凍保存するメリットを最大限に活かすためには、注意したいポイントがいくつかあります。

それは調理する食材の鮮度、冷凍保存した場合の消費期限や解凍の温度等の衛生面や、冷凍に向かない食材は避ける、美味しさを保つために正しい方法で保存するといった事が挙げられます。

ここからは、作り置きおかずを冷凍保存する際の注意点についてお伝えします。

新鮮な食材を使って調理する、作りたてを冷凍する

冷蔵保存に比べて長期保存が可能な冷凍保存ですが、鮮度が落ちた食材で調理したおかずは解凍する過程で傷みやすく、美味しく食べる事ができないだけでなく食中毒を起こしてしまう危険性もあります。

また、調理して日が経ったおかずも既に傷み始めている可能性もあるので冷凍は避けましょう。新鮮な食材を使って調理し、作りたてを冷凍するのが作り置きおかずを美味しく安全に食べるポイントです。

2〜3週間で食べ切る様にする

冷凍保存は長期保存が可能と既にお伝えしていますが、やはりいつまでも美味しく安全に食べられるというわけではありません。

他の専門家や冷凍食品の大手メーカーの見解でも、家庭で調理した作り置きおかずは冷凍保存で長くても3週間が美味しく安全に食べられる目安と言われています。

それ以上の期間では家庭の冷凍庫は業務用と比較して開け閉め等により温度が上昇しやすく、調理の際に付いた細菌がゆっくり増殖する可能性がある他、冷凍焼けを起こして美味しさが損なわれるといった事があります。

高齢のご家族に届ける際等は、保存容器や袋に、「この日までに食べてほしい」という日付を書いておくのがおすすめです。

冷凍に向かない食材は避ける

食材の中には冷凍保存に向かないものがあり、それらを冷凍保存したり、作り置きおかずの材料として使用して冷凍保存しても、食感が悪く美味しく食べる事ができません。

水分が多く生食する事が多いきゅうりやレタス、じゃがいもやこんにゃくは冷凍する事によって水分が外に滲み出て食感が悪くなります。

また、にんじんやごぼう、山菜等繊維が多いものは生で冷凍すると筋張った食感になってしまいます。

また、肉じゃがやカレー、ポテトサラダ等は大量に作って食べるものの代表格ですが、じゃがいもやこんにゃく、きゅうり等冷凍に向かない食材を使用する料理でもあるので冷凍保存には不向きと言えます。

茹で卵に関しても冷凍すると白身の部分が硬くなり、美味しく食べる事ができないので注意が必要です。

冷凍保存に向かない食材 冷凍保存に向かない料理
きゅうり、レタス
じゃがいも(マッシュすれば可)
こんにゃく
生のにんじん、ごぼう、山菜
肉じゃが
カレー
ポテトサラダ
茹で卵

常温での解凍や再冷凍しない、食べる前に再加熱する

冷凍保存した作り置きおかずや下味冷凍したものを常温で解凍したり、一度解凍しためたものを再冷凍する事は細菌が増殖しやすい温度環境になるため、食中毒の発生に繋がります。

高齢者は抵抗力が低下している人も多いため食中毒を起こすと重症化しやすく、最悪の場合命に関わる事もあります。作り置きおかずも食べる前には必ずレンジ等で再加熱して食べましょう。

下味冷凍したものを加熱調理前に解凍しておきたい場合は、冷蔵庫に移したり、流水解凍する様にしましょう。

また、食べ切る事が出来なかった解凍済みの作り置きおかずを、残す事に抵抗を感じて高齢者の方が冷蔵庫に後々まで保管してしまったり、再冷凍してしまうといった事を防ぐためにも食べ切りれる量で小分け冷凍する事も大切です。

美味しさを保つ冷凍保存の仕方

冷凍保存した作り置きおかずを美味しく食べるためには、冷凍保存の仕方にもポイントがあります。

一つ目は、清潔な容器に密閉する事です。温かい温度の他にも、空気がある事で細菌は増殖しやすくなります。保存する容器やジッパーパックは清潔な物を使用し、密閉できるものにしましょう。

二つ目は、水滴を付けない事です。調理後まだ熱いうちにフタをしてしまうとフタや袋の内側に水滴ができてしまい、冷凍した時に霜になったり、水分が増える事で細菌が増殖しやすくなります。調理した後保存容器やジッパーパックに移す際は、よく冷ましてからフタをしましょう。

三つ目は、なるべく急速に冷凍する事です。食品を冷凍する際は、冷凍されるまでの時間が短ければ短い程、新鮮な状態で保存する事ができます。ジッパーパックに入れる時は厚みを均一にしたり、小分けにする事で温度が下がりやすくなります。

冷凍できる高齢者向け作り置きおかずの簡単レシピ

冷凍できる高齢者向け作り置きおかずの簡単レシピ

ここからは、冷凍保存できる高齢者向け作り置きおかずの簡単レシピをご紹介します。高齢者でも食べやすい食材を使用した一品や、冷凍保存する事で時短調理なのに柔らかく仕上がり味もしみる、下味冷凍を取り入れたレシピもご紹介しています。

包まない!レンジでしゅうまい

タネを皮で包まずに細く刻んでまとわせるので、歯切れが良く高齢者にも食べやすいしゅうまいです。レンジ調理ができるのも嬉しいですね。

<材料(1人分×3〜4食分)>
・豚挽き肉 150g
・しいたけ2枚(みじん切り)
・玉ねぎ4/1個(みじん切り)
・片栗粉 大さじ1
・しゅうまいの皮 15枚→長さを半分にし、2〜3mmの幅に刻む
・醤油 大さじ1 砂糖 小さじ1 塩・こしょう 少々 生姜 チューブ2cm→◆

<作り方>
1.みじん切りにしたしいたけと玉ねぎをボウルに移し、片栗粉をまぶす。
2.①に豚挽肉と◆を入れ、よくこね、冷蔵庫で30分程休ませる。
3.しゅまいをまな板の上等に広げ、一口大に丸めた②にまとわせる。
4.皿にキッチンペーパーをしき、③を並べふんわりラップをかける。
5.600Wのレンジで表裏をそれぞれ3分ずつ加熱し、1つ割って火が通っていれば完成。

(1人分) 185kcal 塩分 1.2g

茄子の焼き浸し

とろとろの焼き茄子は、高齢者でも食べやすいおかずです。だし汁と一緒に冷凍する事で味も良くしみます。

茄子の焼き浸し

<材料(1人分×4食分)>
・茄子 4本
・だし汁 200ml みりん、醤油 各小さじ2 塩 小さじ1/2→◆
・かつお節 適量

<作り方>
1.茄子を洗い、縦に3本程切れ目を入れ、グリルで焼く。
2.鍋に◆を煮立てておく。
3.茄子が焼けたら水につけて皮をはぎ、軽く水気を絞って食べやすい大きさに切る。
4.②に焼き茄子を浸し、冷めたらだし汁ごと冷凍保存する。
5.食べる時はお好みでかつお節を添える。

(1人分)30kcal 塩分1.5g

下味冷凍の大根そぼろ煮

下味冷凍を活用した、短時間で柔らかく仕上がる大根の煮物です。大根はいちょう切りにすると更に食べやすくなります。解凍して調理した後は、冷蔵保存で3日以内に食べ切りましょう。

大根のそぼろ煮

<材料(1人分×3食分)>
・大根 15cm
・鶏挽肉 120g
・生姜チューブ 2cm
・めんつゆ(3倍濃縮) 50ml
・水200ml
・砂糖、醤油 大さじ1

<作り方>
1.大根は皮をむいて厚さ1.5cmの半月切りまたはいちょう切りにする。
2.ジッパーパックに鶏挽肉、大根、めんつゆ、生姜を入れてもみ、平にして冷凍庫で1日以上寝かせる。
3.②を流水解凍し、鍋に分量の水を沸騰させ、流水解凍した②を入れ中火で10分煮込む。
砂糖、醤油を加え更に10分程煮て完成。

(1人分)100kcal 塩分 1.2g

下味冷凍魚「ぶりの漬け焼き」

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さつまいもとりんごの重ね煮

デザートにもなる、優しい甘さの1品です。こちらも加熱調理した後に煮汁ごと冷凍すると、更に深い甘さになります。

さつまいもとりんごの重ね煮

<材料(1人分×4食分)>
・さつまいも 中1本
・りんご 1/2 個
・レーズン 15g
・砂糖 大さじ1
・塩 少々

<作り方>
1.さつまいもは3mm程度の厚さにスライスし、水につけてアク抜きする、
2.りんごも3mm程度の厚さにし、いちょう切りにする。
3.鍋にさつまいも、りんご、レーズンを重ねて入れ、材料が浸るくらいの水を入れる。
4.砂糖と塩を加え、柔らかくなるまで煮る。

(1人分)約105kcal 塩分 0.1g

カロリー-塩分計算参考:女子栄養大学出版部 7訂 食品成分表2019
女子栄養大学出版部 調理のためのベーシックデータ 第5版

高齢者向け宅配弁当も手軽で安心、そして便利

高齢者向け宅配弁当も手軽で安心、そして便利

家庭で作り置きおかずを作り冷凍保存するのもたくさんのメリットがありますが、もっと手軽に冷凍保存のおかずを取り入れたいという場合には、高齢者向けの宅配弁当のサービスも便利です。

主食とセットになっていてそれだけで食事が完成するものや、好みのおかずをアラカルトで取り寄せられる等、商品の内容も様々です。

冷凍で届くので長期保存ができるだけでなく、管理栄養士が献立を監修し栄養価が計算されている事や、衛生管理された工場で調理され安心、安全であるといった宅配サービスならではのメリットがあります。

高齢者の食事も便利な冷凍保存のポイントを押さえていつでも美味しく

作り置きおかずは食事づくりの時短化や組み合わせによって献立を立てやすくなる等のメリットがたくさんありますが、冷凍保存ができるおかずは更に便利です。

冷凍保存をする事によって、長期保存ができる、食品ロスが減る、下味を付けて冷凍する事で味がよくしみ、火も通りやすくなるといったメリットがあります。

そのメリットを最大限に活かし、安心安全な食卓にするためには、新鮮な食材で調理する、冷凍保存でも3週間以内には食べ切る、解凍する際の温度管理等作り置きおかずを冷凍保存するにあたってのポイントを押さえておく事も大切です。

また、更に手軽に冷凍のおかずを食事に取り入れたいという人には、管理栄養士監修の献立で栄養価計算がされ、衛生面も安心な高齢者向けの宅配弁当のサービスもおすすめです。

>oharu(おはる)

oharu(おはる)

自身のスポーツ経験から管理栄養士を志し、大学卒業後総合病院の管理栄養士として8年勤務する中で高齢者の栄養サポートやがん患者に対する緩和ケア等のチーム医療にも参加。現在は幅広い年齢層を対象に予防医療の分野で活動中。

【所有資格】・管理栄養士・日本糖尿病療養指導士・病態栄養専門管理栄養士・がん病態栄養専門管理栄養士