高齢者と一緒に作るおやつのメリットとは!?簡単なおやつのレシピもご紹介

この記事を読んでいるあなたは、「おやつレクリエーション」という言葉を聞いた事がありますか?

このおやつレクリエーションは高齢者施設やデイサービス等で行われている、高齢者が職員と一緒におやつ作りをする取り組みです。

おやつレクリエーションは高齢者がおやつ作りを楽しむだけではなく、手先を動かす事で脳を活性化したり、コミュニケーションを取りながら作業をする事で心にも活気を与えるといった目的もあります。

おやつレクリエーションは材料さえ揃えれば施設に限らず自宅でも行う事ができます。

例えば、自宅で介護をしている高齢の家族が最近家にこもりがちで活動性が減っている、退屈そうにしていて表情が沈みがちであるといった場合には、自宅で高齢者と一緒に作るおやつを楽しんでみるのも良いでしょう。

今回本記事では自宅で高齢者と一緒に作るおやつのメリットや、高齢者と一緒に作るおやつはどの様なものが良いのか、注意すべきところはどんな点かといった事をお伝えします。

自宅で高齢者と一緒に作れる簡単なおやつのレシピもご紹介していますので、高齢者の単調な毎日に活気を与え、心を明るくするおやつ作りに是非トライしてみてはいかがでしょうか。

高齢者と一緒に作るおやつ、3つのメリット

高齢者と一緒に作るおやつ、3つのメリット

自宅で高齢者が家族や介護者とおやつ作りをする事は手先を動かしたり、自分以外の人との会話が増える等日常にはない刺激を受けられる要素が多くあります。

そして自分で作ったおやつはより美味しく感じられるでしょう。

ここでは、高齢者と一緒に作るおやつのメリットについてお伝えします。そのメリットを知る事で、手作りのおやつを取り入れてみる事を前向きに考える事ができますよ。

高齢者自身が手先を動かす事や五感からの刺激で脳が活性化する

おやつ作りはレシピを見ながら調理器具を使用したり、成型が必要なものは指先を使って細かい作業をするため、手先を動かすための脳からの指令が活発に発せられ、脳が活性化します。

また、良い香りや綺麗な色彩、食べた時の美味しさといった様に、五感を刺激するので、それによっても脳の活性化に繋がります。

この様に、手先を動かし五感が刺激され脳が活性化する事で、認知機能の低下等を防ぐ事が期待できます。

自分以外の人と会話しながら作業する事で活気が生まれる

高齢者が家の中にこもりがちになると自分以外の人と会話をする機会が減ってしまいます。

日常での会話が減少すると、単調な毎日に拍車がかかり、気分が沈みがちになるといった事も起こりえます。

また、会話を含めた社会参加の減少は認知機能を低下させるという研究結果もあり、認知機能を維持する事を目的とした会話支援ロボットが開発される等、高齢者が活気や認知機能を維持するためには「誰かと会話をすること」は大切な役割を担っています。

高齢者が家族や介護者と一緒におやつ作りをする事で、次の工程の確認やおやつにまつわる思い出話等といった話題が生まれ、自然と会話がはずみます。

会話をしながら誰かと一緒におやつ作りをする経験は活気が生まれ気持ちも前向きになり、認知機能を維持していく事にも繋がります。

自分で作ったおやつで、美味しく楽しみながら栄養補給ができる

自宅介護をする人からの相談として、普段高齢者が家の中にいると活動量を増やす事が難しく、食欲も低下しがちになる事でなかなか食事が進まないといった悩みがよく聞かれます。

おやつ作りは手先を動かす事や会話をしながら作業をする事は私たちが思っている以上に頭を使うので、脳でエネルギーが消費され、空腹を感じやすくなります。

また、おやつを作っている間に感じる良い香り等で食欲がそそられ、自分で作ったおやつは特別感もあるので美味しさも格別です。

不足しがちなエネルギー、タンパク質、食物繊維等が豊富なおやつを作れば、美味しく楽しみながら栄養補給をする事ができます。

高齢者と一緒に作るおやつのポイント

高齢者と一緒に作るおやつのポイント

ここまでは高齢者と一緒に作るおやつのメリットについてお伝えしてきましたが、実際におやつ作りをする際には食欲が低下しやすい事や噛む力、飲み込む力が低下しやすいといった高齢者の特徴に配慮したおやつや、高齢者が楽しむ事ができ会話が弾むようなおやつを作るといったポイントを押さえる事でそのメリットを最大限に活かす事ができます。

ここでは、高齢者と一緒に作るおやつのポイントについてお伝えします。

不足しがちな栄養を補えるものがおすすめ

高齢者は活動量が減る事で食欲が低下しやすく、1食の量が少なくなりがちです。

また、加齢により消化・吸収能力が低下する事で3食の食事では1日に必要なエネルギーやタンパク質等の栄養を満たす事が難しい傾向にあります。

本来おやつには栄養を補うといった目的もあるので、せっかくおやつを手作りするなら小麦粉や米粉、砂糖等のエネルギー源となる食品や、牛乳や卵等のタンパク質を多く含む食品を使った不足しがちなエネルギーやタンパク質を補えるおやつがおすすめです。

さつまいもやかぼちゃ、旬の果物等も手作りのおやつにおすすめの食材で、ビタミンや食物繊維を補う事ができます。

食べる時間は食事の時間と近くならない様にする

既にお伝えしている様に、高齢になると食べ物の消化・吸収機能が低下します。

消化・吸収機能の低下は食べ物の消化に時間がかかる事で胸焼け等を引き起こし、慢性的な食欲不振に陥る事もあります。

よって、おやつを食べる時も次の食事までに消化ができる様、食事の時間と近くならない様な配慮が必要です。

おやつを食べた後の満腹感に影響する血糖値の上昇や消化・吸収のメカニズムを考慮すると、食事時間の2〜3時間前にはおやつを食べ終えるのが理想的です。また、バターや生クリームを多く使用しているお菓子や、揚げて作るドーナツ等は脂肪を多く含むため消化に時間がかかります。

普段胸焼けを起こしやすい人は、脂肪が少なく、消化の良いゼリーや和菓子等がおすすめです。

軟らかく、喉につまりにくいものにする

高齢になると噛む力や飲み込む力が弱くなり、唾液の分泌量も減少するので、歯応えのあるおやつは硬くて食べにくかったり、口の中に張り付く餅等は喉に詰まりやすくなります。

食べにくいおやつは楽しみを半減させ、栄養補給にも適当ではありません。

また、おやつを喉に詰まらせてしまう事は命にも関わる事故に繋がる事もあります。

高齢者と一緒に作るおやつは水分を多く含んだゼリーやプリン、口の中で溶けやすい焼き菓子等、軟らかく口当たりが良い、喉に詰まりにくいものがおすすめです。

よりおやつを食べやすくする目的と水分補給の目的も兼ねて、お茶や牛乳等の飲み物も必ず一緒に摂るようにしましょう。

懐かしいおやつや食べてみたいおやつ、季節を感じるおやつがおすすめ

どの様なおやつが高齢者に喜ばれるのか、作るおやつを決める段階で悩んでしまう人も多いでしょう。

おやつレクリエーションを行なっている高齢者施設では、高齢者が子供の頃に食べていたおやつや季節を感じる旬の食材を使ったおやつが多く取り入れられています。

また、私の経験上ではクレープ等の洋菓子も「食べてみたい」という声が多く人気があります。

子供の頃に食べていた懐かしいおやつは昔から話に花が咲き会話が弾みますし、旬の食材は味が濃厚になる事で素材の味を味わう事ができ、栄養価も高まるので栄養補給にも最適です。

季節を感じさせるもう一つの方法としては、夏場であれば水まんじゅうやフルーツポンチ等で見た目を涼しげにするといった方法もあります。

普段高齢者が食べる機会が少なく、「食べてみたい」というおやつを作る事はワクワク感が倍増し、更に活気を生みやすくなります。

自宅で高齢者と一緒におやつを作る前の段階で、子供の頃の話や食べてみたいもの等の話に耳を傾ける事もメニューのヒントになりそうですね。

高齢者と一緒に作る、簡単おやつのレシピ

ここからは、高齢のご家族とも楽しく作れるおやつの簡単レシピをご紹介します。

素朴なおやつや、簡単なのに少しおしゃれなおやつ等みんなが楽しめるレシピになっています。お子さんのおやつ作り等にも是非ご活用下さい。

パンナコッタいちごソース添え

濃厚なパンナコッタと、さわやかないちごソースの相性が良い一品です。

喉ごしが良いので飲み込む力が低下した人にも安心です。良く冷やして、食後のデザートにするのもおすすめです。

パンナコッタいちごソース添え

<材料 (4人分)>
・ゼラチン 5g、水 大さじ1(水でゼラチンをふやかす)
・A 牛乳100ml 砂糖30g
・B 牛乳200ml 生クリーム80ml
・いちごソース
・いちご 150g(荒くきざむ) 砂糖20g レモン汁 小匙1/2
・お好みでミントの葉

<作り方>
1.鍋にAと水でふやかしたゼラチンを入れ、中火にかけてゼラチンを溶かし、火を止める。
2.火を止めた状態で①にBを加えて混ぜる。
3.②を容器に流し入れ、ラップをかけて冷蔵庫で冷やし固める。
4.いちごと砂糖、レモン汁を耐熱容器に入れて混ぜ、600Wのレンジに40秒程かけて更にかき混ぜる。
5.④も冷蔵庫で冷やす。
6.③が固まったら、冷やしておいた⑤を上からかける。

(1人分)約200kcal タンパク質4.3g

アイスクリームのビスケットサンド

市販で手に入る材料を使うので、とても簡単に作れるおやつです。

ビスケットは口の中の水分が奪われ、高齢者にとって食べにくい事が多いですが、豆乳に浸す事とアイスクリームと一緒に食べる事で口の中でまとまりやすくなります。

アイスクリームのビスケットサンド

<材料 (1人分)>
・ビスケット 4枚
・豆乳 大さじ1
・バニラアイス 50ml
・ゆであずき 10g

<作り方>
1.豆乳を小皿等に入れ、ビスケットの裏面に浸す。
2.バニラアイスとゆであずきを混ぜ、①のビスケット2枚で挟む。
3.②をラップにくるみ、冷凍庫で1時間程休ませる。

(1人分)約240kcal タンパク質4.2g

さつまいもの蒸しケーキ

素朴な美味しさで高齢者にもなじみ深い、さつまいもを使った蒸しケーキです。

さつまいもやごまを使う事で、ビタミンやミネラル、食物繊維を摂る事ができます。

さつまいもの蒸しケーキ

<材料 (6個分)>
・さつまいも 小1本(1cm角に切り、水に漬ける)
・ホットケーキミックス 100g
・卵1個、砂糖 20g 牛乳 40ml サラダ油 大さじ1◆
・ごま 小匙2
・アルミカップ 6個

<作り方>
1.みずに漬けたさつまいもは水を切り、耐熱容器に入れてラップをふんわりかけ、600Wのレンジで1分半程加熱して蒸す。
2.ボウルに◆の材料を入れて混ぜる。
3.①の粗熱がとれたら②に加え、ホットケーキミックス、ごまも入れてさっくり混ぜる。
4.③をアルミカップの8分目まで入れ、深めの皿に並べる。
5.フライパンまたは鍋の深さ1cmまで熱湯を入れ、④を入れ蓋をして15分程蒸す。

(1個分)約140kcal タンパク質3g

たこ焼き器で作るお豆腐の焼きドーナツ

たこ焼き器を使って作る、揚げないドーナツです。

揚げていない事で胃腸に優しく、豆腐を使う事でタンパク質も補給できます。

とても楽しく作れるので、ご自宅にたこ焼き器がある方は是非お試し下さい。

お豆腐の焼きドーナツ

<材料 (20個分)>
・ホットケーキミックス 200g
・絹ごし豆腐 150g
・卵 1個
・牛乳 50ml
・サラダ油 大匙2
・グラニュー糖 適量
・たこ焼き器に塗る油 適量

<作り方>
1.絹ごし豆腐はボウルに入れ、泡立て器で滑らかになるまでかき混ぜる。
2.①に卵、牛乳、サラダ油を入れて更に混ぜ、ホットケーキミックスを加えてもったりするまで混ぜる。
3.たこ焼き器に②を流し入れ、返しながら焼く。
4.焼き上がったものはポリ袋に入れ、グラニュー糖をまぶす。

(1人分・約4個分)約250kcal タンパク質7.3g

フルーツポンチ

見た目が涼し気なフルーツポンチは、夏場のおやつ作りにおすすめのメニューです。

最後に注ぐサイダーが全体を更にさわやかに仕上げます。型抜きや盛り付けを楽しみながら作りましょう!

フルーツポンチ

<材料 (3人分)>
・牛乳 200ml 寒天 2g 砂糖 小匙1
・キウイ 1個(輪切りにスライスする)
・ミカンの缶詰 1/2缶
・その他季節のフルーツをお好みで
・サイダー 250ml
・お好みの抜き型

<作り方>
1.牛乳、寒天、砂糖を鍋に入れ弱火で寒天を溶かし、沸騰したら火からおろす。
2.①の粗熱が取れたらタッパーまたはバットに流し入れ、固まったらさいの目に切る。
3.キウイは好きな形に型抜きする。切れ端は細かく刻む。
4.器に②、ミカンの缶詰、型抜きしたフルーツを入れる。
5.最後に上からサイダーを注ぐ。

(1人分)約130kcal タンパク質2.7g

※自宅でおやつ作りをする際は、食中毒予防のため手をよく洗い、清潔な調理器具を使いましょう。

おやつを手作りした日のお食事は、宅配弁当を取り入れるのもおすすめ

おやつを手作りした日のお食事は、宅配弁当を取り入れるのもおすすめ

自宅でおやつを手作りすると調理器具等の洗い物が増えたり、次の食事の支度をする時間がいつもよりも確保しにくくなるといった事もあるでしょう。

その様な時は高齢者向けの宅配弁当を食事として取り入れる事で食事の支度や洗い物の手間が軽減されるので便利です。

宅配弁当は栄養価計算がされているだけではなく、カロリーや塩分、タンパク質がコントロールされているものもあるので、高齢者自身に持病がある場合や、「おやつを少し食べすぎてしまったかもしれない」といった場合にカロリー等をコントロールしたい時にも安心して利用できます。

高齢者向け宅配弁当サービスは、忙しい介護者の負担軽減のためには、普段使いにもおすすめです。

高齢者と一緒に作るおやつで楽しみながら元気と栄養をチャージしよう!

高齢者施設やデイサービス等では高齢者と職員が一緒におやつ作りをする「おやつレクリエーション」が行われる事があります。

高齢者自身がおやつ作りをする事は、手先を動かす事で脳が活性化され、認知機能のを維持する事が期待される事や、自分以外の人と会話をする事によって活気が生まれ、気持ちが前向きになる事、自分で作ったおやつによって美味しく楽しみながら栄養補給ができる事といったメリットがあります。

この「おやつレクリエーション」は、施設やデイサービスでなければ行う事ができないというわけではなく、材料を揃えれば自宅でも家族や介護者のサポートのもとおやつ作りを楽しむ事ができます。

高齢者と一緒におやつ作りをする事のメリットを最大限に活かすためには、食が細くなりがちな高齢者に不足しがちな栄養素を補えるおやつにする事や、噛む力や飲み込む力が低下した高齢者にも安心して食べられる、軟らかく喉に詰まりにくいおやつにするといったメニュー設定のポイントや、次の食事の摂取量に支障が出ない様、おやつの時間を次の食事と近くならない様にするといった工夫も必要です。

また、高齢者が子供の頃に食べていた懐かしいおやつは昔話に花が咲き、反対に食べる機会が少なく、高齢者自身が「食べてみたい」というお菓子はワクワク感が増し、活気が生まれやすくなります。

栄養価が増す旬の食材を使ったおやつや、見た目で季節感を感じられるおやつもメニューとしておすすめです。

日頃から高齢者の子供の頃のお話や食べてみたいものの話等に耳を傾ける事で、おやつ作りのヒントにもなるでしょう。

>oharu(おはる)

oharu(おはる)

自身のスポーツ経験から管理栄養士を志し、大学卒業後総合病院の管理栄養士として8年勤務する中で高齢者の栄養サポートやがん患者に対する緩和ケア等のチーム医療にも参加。現在は幅広い年齢層を対象に予防医療の分野で活動中。

【所有資格】・管理栄養士・日本糖尿病療養指導士・病態栄養専門管理栄養士・がん病態栄養専門管理栄養士