どうする!?高齢者の昼食。忙しいあなたも安心の簡単レシピをご紹介

自宅で介護をしているものの、日中家を空ける事が多かったり、高齢の家族と食事の時間や食習慣が違うといった理由で、高齢の家族の昼食を用意する人がいない、昼食を高齢者1人で食べる事になり、食事が疎かになりやすいといった悩みを抱えている人は多く、インターネット上の介護相談においては「忙しくて昼食の準備まで手が回らない」「用意したものを食べてもらえない」といった相談も寄せられています。

また、高齢者の身体機能や認知機能によっては、用意した食事の温め直し等で火気を使用する事に危険を伴う事もあります。

しかし、もちろん高齢者にとっても3食しっかりと食事を摂る事は健康に過ごすために重要な事であり、昼食を抜いたり主食、主菜、副菜が揃わない偏った内容の食事を続ける事は生活リズムの乱れや食事から摂る栄養量の減少による栄養状態の低下といったリスクに繋がります。

そのため、高齢者の昼食に関する悩みは、その悩みに合った対処が必要です。

忙しくて昼食の準備に手が回らない場合や、火気の使用に不安がある場合も、対処法を知る事ができれば介護者も安心する事ができます。

本記事では自宅介護をしている人が直面する、高齢者の昼食に関する悩みについてまとめ、悩み別の対処法についてお伝えします。高齢者も食べやすい、栄養面や安全面に配慮した簡単レシピもご紹介していますのて是非ご覧下さい。

高齢者の昼食に関する3つの悩み

高齢者の昼食に関する3つの悩み

高齢者の昼食に関する悩みは、介護者が仕事で日中家を空ける事が多い、高齢の家族とは生活リズムや食習慣が違うといった事情や、高齢者の身体機能や認知機能が低下し、火気の使用等への不安といった事が関連している場合が多くあります。

ここでは、インターネット上の介護相談や私がこれまで自宅介護をする方から伺ったご相談の内容についてまとめます。

介護者が仕事等で不在のため、昼食を準備する人がいない

自宅で介護をする人の中には仕事で日中家を空けるという人や、仕事の合間に家に戻れる時間が限られるという人も多く、そのため日中家にいる高齢の家族分の食事を用意をする事が難しいといった悩みに直面する場合が多くあります。

特に出かける前の朝の時間帯は忙しく、朝食や他の家族の弁当を準備するだけでも精一杯というのが現実です。昼食の分まで用意できたとしても、前日のおかずを取り置きする、カレーを作り置きする等のメニューに偏ってしまう。

といった様に、献立のバリエーションが増やしにくいといった悩みにも繋がります。インターネットの介護相談の中には、「食にこだわりがあり、昨晩のおかず等は食べてくれない」という書き込みもあり、限られた時間の中で高齢者の希望に沿った昼食作りをする事が簡単ではない事も伺えます。

昼間に高齢者が一人で家にいると、食事は疎かになりやすい

高齢の家族といっても、食事の用意をはじめ身の回りの事を自分でする事ができたり、生活リズムや食習慣が違うため、特に食事の用意をする必要性がない様に見える場合においても、高齢者が一人で食べる食事の内容について悩みを抱える人もいます。

例えば、「もう歳だからあまり食べなくても良い」と言って昼食を食べなかったり、長年の習慣によりカップ麺類や菓子パンのみで済ませてしまう等、食事量や栄養のバランスを不安視する内容の相談内容が目立ちます。

長年の食習慣を変える事も簡単ではないため、他の家族と同じ食事や、栄養バランスを考えた食事を用意しても食べてもらえないといった悩みが聞かれる事もあります。

温かいものを食べて欲しいが、火気の使用が危険な場合もある

温かい食事は美味しいものですが、手が不自由であったり火の消し忘れをしやすい等、その人の身体機能や認知機能によっては作り置きおかずの温め直し等で火気を使用する事に危険が伴う事もあります。

火傷や火災等、命に関わる事故に繋がる事もあるため、温かい食事を食べてもらいたいものの、火気の使用は避けたいといった相談もあります。

高齢者の昼食に関する悩みへの対処法

高齢者の昼食に関する悩みへの対処法

高齢者の昼食に関する悩みにはそれぞれに合った方法の対処法があり、対処をする事で今悩んでいる状況を改善させる事もできます。

そのためには便利なサービスや調理器具の便利機能を活用し、安全かつ介護者の負担軽減になる方法や、その人の食習慣等を受け入れながら食事のサポートをするといった方法で悩みへのアプローチする事が必要です。

ここからは、高齢者の昼食に関する悩みへの対処法についてお伝えします。

レトルト食品、宅配弁当サービスや冷凍の作り置きおかずを取り入れる

食事の用意をする介護者が日中不在となり、昼食の準備ができない場合は、レトルトの介護食や高齢者向け宅配弁当サービス等の便利な食品やサービスを利用したり、週末等に常備菜を作り置きして小分け冷凍し、必要な時に解凍して使用するといった対処法があります。

レトルトの介護食は加熱しなくても安全に美味しく食べられるものもあり、高齢者向け宅配弁当は冷凍の状態で届き、解凍するだけで1食分の食事を用意する事ができ、メニューのバリエーションや様々な食形態やカロリー、塩分制限等がある人向けのもの等ラインナップが豊富なので、咀嚼や飲み込みに不安がある人や持病により医師から食事に関して指示を受けている人も安心して利用でき、日によって違うメニューを楽しむ事もできます。

家庭で調理する作り置きおかずは高齢者が食べられる硬さの食材で調理すれば、高齢者のみならず家族みんなで食べる事ができるので、普段の食事の時短にも繋がります。

宅配弁当や冷凍の作り置きおかずは食べる際に加熱解凍が必要ですが、食事を食べる高齢者がレンジの使用に不安がある場合は、出かける前にレンジ加熱し、荒熱をとって保冷剤と一緒に保冷ケース等に保管するといった方法もあります。

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昼食を用意した事を声がけする、追加で食べられる様なものを用意する

高齢者が日中家に一人になる事で昼食を抜いてしまったり、昼食の食事量や栄養バランスに不安があるといった場合には、例えば「今日はみんなのお弁当と同じ牛丼を用意してみたのですが食べてみませんか?」等と昼食を用意した事を伝えて必要に応じて食べてもらう様に声がけしたり、カップ麺や菓子パン等いつも固定で食べているメニューがあれば、そのメニューに不足しがちな栄養を補える様な一品を用意し、いつものメニューに追加して食べてもらうといった方法があります。

既にお伝えしている様に、その人の食事のこだわりや食習慣を変えるのは簡単な事ではなく、いくら健康のためと言っても用意した食事を食べるように強く言う等してしまうと、高齢者の心情を害してしまう事にもなりかねません。

例えば、昼食を抜いてしまいがちな人にはサンドウィッチやおやき、野菜を使った蒸しパン等、おやつや軽食としても楽しめるものを用意して声がけしたり、昼食の内容に栄養面で不安がある場合は、例えばカップラーメンや菓子パンだけでは不足しやすい野菜類やたんぱく質を補える、カップラーメンに乗せて食べられる様な茹で野菜や温泉卵、菓子パンには野菜ジュースやヨーグルトを冷蔵庫に入れておくといった、栄養を補える一品を用意する事で、その人の食習慣を大きく変える事なく、栄養面のサポートをする事ができます。

調理器具の保温機能や、保温容器を使う

用意した食事を食べる高齢者が、身体機能や認知機能の状況によりおかずの温め直し等で火気を使用する事に危険性がある場合は、炊飯器等の調理器具や保温ジャー等の保温容器を使い、調理後の温かい状態を保つといった方法があります。

炊飯器はご飯を炊くだけではなく、おかずも一緒に調理ができたり、肉等を低温調理によって柔らかく調理する事もできます。

炊飯の用途以外で炊飯器を使用する際は、中の物が常温で放置される事を防ぐため、予約機能は使わず、すぐに加熱調理をして保温する様にしましょう。

保温ジャーはカレーやスープ等を保温する事に適しているので、一人分の汁物等を保温するのに便利です。

この様に、調理器具の保温器具や保温容器を使う事で、おかずの温め直し等でガスやレンジを使用する事なく、温かい状態の食事を食べる事ができます。

忙しいあなたも安心の、高齢者向けの昼食簡単レシピ

ここからは、忙しい日々の中でも作りやすく、高齢者も食べやすい昼食向けの簡単レシピを五平餅をご紹介します。

炊飯器のスイッチひとつでごはんとおかずが調理できるレシピや、冷凍保存に適したレシピもご紹介しているので、高齢のご家族のためだけではなく、普段の食事の時短化にも是非ご活用下さい。

アジアンチキンライス

炊飯器のスイッチを押すだけで主食とおかずの調理ができ、食べる時まで温かい、嬉しいレシピです。家族みんなで楽しむ事もできます。

アジアンチキンライス

<材料(4食分)>
・米 2合
・鳥もも肉(1枚肉や唐揚げ用等切ってあるもの)400g(1枚肉は全体をフォークで刺す)
・鶏ガラスープの素、醤油各大さじ1、酒 大さじ2 チューブにんにく、しょうが各2cm◆
・タレ
・葱 5cm(みじん切り)
・ごま油、オイスターソース各大さじ1、醤油小さじ2、砂糖小さじ1
・お好みの添え野菜

<作り方>
1.米をとぎ、目盛りの少し下まで水を入れ、◆を加え、鶏肉を乗せて炊飯する。
2.タレの材料を混ぜ、600Wのレンジで20秒程加熱して冷ます。
3.炊飯が終わったらご飯と肉をそれぞれ一皿に盛り付け、タレをかけて完成。
(1枚肉の場合は幅1.5cm程度に切る)

(1人分)約530kcal たんぱく質22.2g 塩分3.1g

(高齢者の1日分の栄養量のめやす:活動量が少ない人で1500kcal たんぱく質50g 塩分〜7g程度)

鯛めし

鯛の切り身を使い、炊飯器で調理する簡単な鯛めしです。時間に余裕がある時はおにぎりにしても美味しく食べられます。

鯛めし

<材料(4食分)>
・米 2合
・鯛の切り身 2切(骨は取り除き、小さじ1/2の塩をふる)
・醤油大さじ1/2、酒、みりん大さじ1、ほんだし小さじ1 塩小さじ1◆

<作り方>
1.ふり塩した鯛は耐熱容器に入れ、ふんわりラップをして600Wの電子レンジで2分程加熱して火を通す。
2.米を研ぎ、◆と目盛りまで水を加え、①を乗せて炊飯する。
3.炊飯が終わったら、鯛の身をほぐす様に混ぜる。

(1人分) 約330kcal たんぱく質12.5g 塩分3.5g

※献立として冷やしトマト(1/2個)と牛乳(200ml)を組み合わせると、約490kcalたんぱく質約20g 塩分約3.7g
(高齢者の1日分の栄養量のめやす:活動量が少ない人で1500kcal たんぱく質50g 塩分〜7g程度)

豆腐入りお好み焼き

お好み焼きは高齢者に人気があるメニューの一つで、作り置きして冷凍にも向きます。

生地に豆腐を入れる事で、ふんわりと仕上がりたんぱく質量も増やす事ができるメニューです。具材のアレンジも自在なので、煮物や炒め物を多めに作った時のリメイクにもなります。

豆腐入りお好み焼き

<材料(2枚分)>
・小麦粉 150g、絹ごし豆腐100g、卵1個、ほんだし 小さじ1◆
・キャベツ 60g(千切り)
・干し海老 5g
・サラダ油 大さじ2
・ソース 大さじ2
・青のり、かつおぶし 適量

<作り方>
1.◆をボウルで混ぜ合わせ、千切りキャベツと干し海老を加えて混ぜる。
2.フライパンに油を熱し、生地を入れ両面焼く。
3.ソースの他、お好みのトッピングをする。

(1人分 1枚)約510kcal たんぱく質16g 塩分2.1g

※献立として野菜ジュース(食塩無添加200ml)を組み合わせると、約550kcalたんぱく質約18g塩分約2.1g
(高齢者の1日分の栄養量のめやす:活動量が少ない人で1500kcal たんぱく質50g 塩分〜7g程度)

五平餅風おやき

炊飯器のご飯で作る、作り置きして冷凍するのにも適したメニューです。おやつの様な食べやすさもありますが、野菜とたんぱく質も一緒に摂る事ができます。

五平餅風おやき 挽肉味噌

・トッピング
五平餅風おやき トッピング2

<材料(6個分)>
・ご飯 450g程度(冷ご飯の場合はレンジで加熱する)
・トッピング◆
・青菜としらす
・小松菜、かぶの葉等の青菜(茹でて水気をしぼり、細かく切る)1株
・しらす 15g
・ごま油、醤油、みりん 各小さじ1
・トッピング◇
・茄子と肉味噌
・茄子(皮をむいて1cm角に切る)1/2本
・豚挽肉 30g
・ごま油 小さじ1
・酒、みりん、醤油 各小さじ1 味噌 小さじ2→☆

<作り方>
1.ご飯をボウルでやや粒が残る程度につぶし、俵型に成形し、フライパンにクッキングシー2.トを敷いて両面を焼く。
3.トッピング◆フライパンにごま油を熱し、細かく切った青菜、しらすを炒め、醤油、みりんで味付けする。
4.トッピング◇フライパンにごま油を熱し、挽肉と茄子を炒め、茄子が透き通ったら☆を加え、汁気がなくなるまで弱火で煮詰める。
5.①にトッピングを乗せる。

(1人分 2個)約340kcal たんぱく質8.8g 塩分1.2g

※献立として牛乳(200ml)を組み合わせると、約470kcalたんぱく質約16g塩分約1.4g
(高齢者の1日分の栄養量のめやす:活動量が少ない人で1500kcal たんぱく質50g 塩分〜7g程度)

野菜と挽肉のレンジ炒め

野菜やたんぱく質が不足しがちなカップ麺のトッピングとしても使える、フライパンを使わない野菜炒めです。耐熱のタッパーで調理すれば、そのまま食卓に出す事や保存が可能です。片栗粉を混ぜる事で肉のパサつきを抑えます。

野菜と挽肉のレンジ炒め

<材料(1人分)>
・豚挽肉 30g
・キャベツ、人参、もやし等 合わせて一掴み
・酒小さじ1、鶏ガラスープの素小さじ1/2、片栗粉小さじ1/2◆
・ごま油 小さじ1 塩・胡椒少々

<作り方>
1.野菜はそれぞれ洗い、キャベツは短冊切り、人参は千切りにする。
2.耐熱容器に野菜と豚挽肉、◆を入れて軽く混ぜ、600Wのレンジで3分程度加熱する。
3.肉に火が通っている事を確認し、ごま油を混ぜ、塩・胡椒で味を調える。

(1人分)約130kcal たんぱく質6.5g 塩分1.3g

※カップ麺にこのレシピを加えた場合→()内はカップ麺のみの数値
約470kcal(340kcal) 17.1g(10.6g) スープを残した場合:4.3g(5.1g→スープを残すと約3g)
(高齢者の1日分の栄養量のめやす:活動量が少ない人で1500kcal たんぱく質50g 塩分〜7g程度)

高齢者が一人で食べる昼食には安全面や栄養面のサポートを。便利な物は活用しよう

自宅介護における高齢者の昼食に関する悩みにはインターネット上の介護相談や介護者である家族から受けた実際の相談内容から、日中介護者が家を空けるため昼食を用意する人がいない、高齢者自身が食事を含め身の回りの事を自分で行なっているが、昼食を抜いたり食事内容の偏りが気になる、一人で火気を使用するには身体機能や認知機能の状況的に危険を伴う、といった事が挙げられます。

介護者が昼食を用意する事に関して、出かける前の時間帯も朝食や他の家族の弁当作りで忙しく、高齢者の昼食の調理まで終わらせる事は難しく、用意できるメニューが限られてしまうのが現実です。

また、昼食の欠食や食事内容の偏りは栄養状態が低下し、様々な健康被害に繋がるリスクがあります。

更に火気の取り扱いに関して不安がある場合は火災や火傷等命に関わる事故に繋がる危険性もはらんでいます。

この様な理由から、状況を改善するためには高齢者の昼食の悩みそれぞれに合った方法で対処をする事が必要です。

介護者が日中家を空ける場合には、週末等に作り置きのおかずを調理し小分け冷凍し、必要時に解凍して使用する事や、レトルトの介護食や高齢者向け宅配弁当サービスを利用する方法があり、特に宅配弁当サービスは利便性だけではなくカロリーや塩分等のコントロールやメニューのバリエーションもカバーする事ができます。

昼食を抜いてしまう事や食事内容の偏りに関してはその人に根付いた食習慣やこだわりが関連しており、それらを大きく変える事は簡単ではありません。

介護者が食事を用意する際は、無理強いの無い声がけや現在の食事に不足しがちな野菜やたんぱく質等を補える一品を添え、栄養面のサポートをするといった方法もあります。

身体機能や認知機能の状況によって火気を使用する事が危険である場合は、炊飯器調理をして保温したり、汁物等は保温ジャー等の保温容器を使用する事で、火気を使用しなくても温かい昼食を食べてもらう事ができます。

>oharu(おはる)

oharu(おはる)

自身のスポーツ経験から管理栄養士を志し、大学卒業後総合病院の管理栄養士として8年勤務する中で高齢者の栄養サポートやがん患者に対する緩和ケア等のチーム医療にも参加。現在は幅広い年齢層を対象に予防医療の分野で活動中。

【所有資格】・管理栄養士・日本糖尿病療養指導士・病態栄養専門管理栄養士・がん病態栄養専門管理栄養士