タンパク質を栄養補助食品で無理なく補給!高齢者におけるメリットや注意点とは!?

インターネット上の介護相談等でよく目にするのが、「高齢の家族の食が細くて心配している」、「肉や魚を残してしまう」といったお悩みです。

この様な場合、カロリーだけではなくタンパク質の不足が起こります。

特に高齢者におけるタンパク質不足は、筋肉量の減少や栄養状態の低下により身体機能や免疫力が低下と言った健康に関わる事もあります。

高齢のご家族が充分に食事を摂る事ができない場合に頼りになるのが少量で高カロリー・高タンパクな栄養補助食品です。

この様な栄養補助食品は最近はネット通販だけではなく、ドラッグストアーやスーパー、コンビニ等で手軽に購入できるようになりました。少量で栄養補給ができる他にも、味や形態が豊富である等メリットがたくさんあるこの栄養補助食品ですが、適切にカロリーやタンパク質を補給し、高齢者の健康維持に役立てるためには注意したいポイントもあります。

今回本記事では、少量でカロリーやタンパク質を補給できる、栄養補助食品を高齢者が利用するにあたってのメリットや注意点についてお伝えします。

高齢者における栄養補助食品使用のメリットとは

高齢者における栄養補助食品使用のメリットとは

栄養補助食品には、少量でカロリーやタンパク質が補えるその機能性の他にも、高齢者にも栄養補給がしやすく工夫がされ、メリットがたくさんあります。

ここでは、高齢者における栄養補助食品使用のメリットについてお伝えします。

少量でカロリーやタンパク質が補える

栄養補助食品はドリンクタイプやゼリータイプ等、通常の飲料やデザートの様な感覚で食べる事ができますが、少ない容量でも糖質、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルをバランス良く高濃度に含んでいます。

よって、食が細くなりがちな高齢者や食欲がないといった人にも食事の補助として取り入れる事で効率良く栄養補給をする事ができます。

市販されているものでは、125mlのドリンクタイプでカロリーが200kcal前後、タンパク質が8g前後補給できるものが一般的です。

また、ゼリータイプであれば70g前後でカロリーが150kcal前後、タンパク質が3g前後補給できるものが一般的です。

参考として下の表に、栄養補助食品125mlと同量の牛乳と比較した栄養量を示していますが、補助食品が一般的な食品よりも高濃度に栄養が含まれている事が一目瞭然ですね。

カロリー タンパク質
牛乳125ml 約80kcal 約4g
補助食品(ドリンク) 125ml 約200kcal 約8g

形態や味が豊富で飲み込みの状態や好みに合わせて選べる

栄養補助食品はドリンクタイプの他、ゼリータイプやムースタイプ等、形態が豊富です。

形態が豊富である事によって、例えば飲み込みに不安があり、水分でムセやすいといった場合にはゼリータイプやムースタイプにするという様に、その人の飲み込みの状態に合わせて選択する事ができます。

また、栄養補助食品の特徴として味の種類が豊富である事も挙げられます。

ミルク味やコーヒー味、苺味といったお馴染みの味や、小豆、抹茶といった和菓子感覚で取り入れられる味、コーンスープ味等食事の一品としても取り入れられる味等様々です。

少量でバランス良く栄養が補助できる便利な食品も、誤嚥の危険性があったり、飽きてしまい嫌悪感を抱いてしまっては栄養補給に繋がらないので、安全に楽しみながら栄養補給ができる様、形態はその人の飲み込む力に合わせて選ぶ他、好みによってドリンクタイプとその他のタイプを組み合わせたり、違う味のものを数種類取り揃えるといった配慮も必要です。

持病や体質に配慮した製品も販売されている

高齢者の中には、持病により甘いものを控えなくてはいけない、カロリーの補助は必要だけれどもタンパク質は控えなければいけない等様々な配慮が必要な人もいます。

栄養補助食品の中には血糖値を上げにくい組成のものや、カロリーは確保しつつもタンパク質量を抑えたものといった様に持病に配慮したタイプもあります。

また、高齢者は特に、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしてしまう体質の人は多く、この様な場合は多くの栄養補助食品でも同様の症状が起こる場合が多くあります。

これは、牛乳や乳飲料に含まれる「乳糖」を消化する酵素の不足によって起こります。

このような場合にも、乳糖フリーでお腹がゴロゴロしにくいものが販売されているので、体質に配慮した栄養補助食品で対応する事ができます。

高齢者が栄養補助食品を使用する際の注意点

高齢者が栄養補助食品を使用する際の注意点

ここまでお伝えしてきた様に高齢者にとってメリットが多い栄養補助食品ですが、高齢者の健康維持のために有効に使用するには、その人の体質や身体機能合ったものを選んだり、その人の健康状態に配慮しながら栄養補助食品を使用していく事が大切です。

ここからは、高齢者が栄養補助食品を使用する際の注意点についてお伝えします。

店頭販売されているものは種類が限られる

栄養補助食品を購入する際の注意点として、スーパーやドラッグストアー等の店頭て販売されているものは種類が限られているといった点があります。

例えば、インターネットの口コミや入院していた病院からの紹介等で使ってみたいものがあったとしても、製品によっては近くの店頭で取り扱われておらず、すぐに入手できないといった事もあります。

特に、血糖値を上げにくいものや乳糖フリーのものといった特殊なものは、ネット通販や医療用品のカタログ通販であれば取り寄せが可能です。

また、店頭で購入したいという場合は、店舗によって対応の可否は分かれますが、薬局での取り寄せが可能な場合もあります。

病院から自宅に退院する場合に、入院中に使用していた補助食品を自宅でも継続して使いたいといった場合には、病院の管理栄養士等に入手経路を確認しておく事で、使いたいと思った時スムーズに入手する事ができます。

極度の食欲不振や持病がある場合は補助食品の使用について主治医に相談する

少量で高濃度の栄養を補給する事ができる栄養補助食品ですが、極度の食欲不振等で補助食品しか口にしたがらないといった場合等には直ちに主治医に相談が必要です。

カロリーやタンパク質だけでみても栄養補助食品のみで高齢者の必要量を満たすためには多くの量が必要なだけではなく、ビタミンやミネラル、水分等は補助食品だけでは不足してしまうのです。

また、持病がある場合、その病気に配慮したものであったとしても補助食品の使用は主治医に相談が必要です。

特にカロリーだけではなくタンパク質やカリウム、水分等の摂取量に配慮が必要な場合も多い腎機能が低下している場合には、1日のに摂取するカロリーやタンパク質、水分量等を食事と合わせてコントロールしていく場合がある他、補助食品の摂取が血液データに影響する事もあるため、自宅での食事の状況についても医師と共有できると良いでしょう。

飲み込みに不安がある場合は誤嚥しにくい形態を選ぶ

高齢になると水分を飲み込む時にムセやすくなるといった事が多く、誤嚥(誤って飲み込んだものが気管に入り込む事)によって食べ物のカスや水分が肺に入り込むと誤嚥性の肺炎を起こし、健康に関わる事もあります。

この事から、栄養補助食品の形態についても、その人の飲み込みの状況に応じて慎重にえらぶ事が大切です。

飲み込みに不安がある場合はゼリータイプやムースタイプの形態を選ぶ他、ドリンクタイプのものでも介護用のトロミ剤を使用して粘度を付ける事で飲み込みやすくする事ができます。

トロミ剤を使用する場合も、その人に合った粘度になる様調節しながらトロミを付けましょう。

タンパク質は補助食品からも効率的に補給できる。正しく使って高齢者も活きいき!

高齢になると活動量の減少によって食が細くなりやすくなったり、噛む力が弱くなる事で良質なタンパク質を含む肉や魚等が食べにくくなり、充分な量が食べられないといった事が多くあります。

この様な場合、カロリーだけではなくタンパク質の不足が起こり、筋肉量の減少や栄養状態の低下により身体機能や免疫力が低下し健康にかかわる事もあります。

高齢のご家族が充分に食事を摂る事ができない場合の栄養補給の手段として、少量ながらみも高カロリー・高タンパクな栄養補助食品を利用するという方法があります。

栄養補助食品はネット通販だけではなく、ドラッグストアーやスーパー、コンビニ等で手軽に購入でき、少量で栄養補給ができる他にも、味や形態が豊富である事、持病や体質に配慮したものがある等といったメリットがたくさんあります。

しかし栄養補助食品を高齢者の健康維持に役立てるためには注意すべきポイントもあり、使いたい時にすぐ使える様、購入の際の入手経路を確認する事や、栄養不足や持病の経過への悪影響を防ぐために極度の食欲不振や持病がある時は補助食品を使用する際に主治医に相談をする事、安全に利用する為にその人の飲み込む力に合わせた形態のものを選ぶ事等が挙げられます。

栄養補助食品はこの様な注意点を踏まえ、毎日の食事に取り入れる事で楽しく効率的にカロリーやタンパク質といった栄養が補給でき、高齢者の活きいきとした毎日のよきパートナーとなるでしょう。

>oharu(おはる)

oharu(おはる)

自身のスポーツ経験から管理栄養士を志し、大学卒業後総合病院の管理栄養士として8年勤務する中で高齢者の栄養サポートやがん患者に対する緩和ケア等のチーム医療にも参加。現在は幅広い年齢層を対象に予防医療の分野で活動中。

【所有資格】・管理栄養士・日本糖尿病療養指導士・病態栄養専門管理栄養士・がん病態栄養専門管理栄養士