高齢者における間食のメリットは?おすすめの食べ方、メニューをご紹介!

間食とは、いわゆるおやつとも呼ばれる3食の食事以外に食べる軽食、お菓子、飲み物、果物等を指します。世代を問わず、おやつの時間は心が和むのではないでしょうか。

間食には3食の他にエネルギーや栄養素を補うという大切な役割もあり、特に加齢による影響で食事量が減少しやすい高齢者にとって間食は是非取り入れたいものです。

本記事では高齢者における間食のメリットや、高齢者の心身の状況に配慮したおすすめの食べ方についてお伝えします。

自宅介護をしている高齢のご家族がきちんと栄養が摂れているか不安な方や、高齢者のおやつ選びに迷ってしまうという方も是非ご覧下さい。

高齢者における間食のメリット

高齢者における間食のメリット

高齢者は加齢の影響によって食が細くなり食事量が減り、水分のムセや喉の渇きを感じにくい事による水分不足になりやすいといった特徴があります。

間食には、この様な高齢者ならではの食事の悩みをカバーする事ができるメリットがあり、高齢者の活力にも影響します。

ここでは、高齢者における間食のメリットについてお伝えします。

不足しがちなエネルギーや栄養素を補える

高齢者は加齢により食が細くなる事によって、1日3食では必要なエネルギーや栄養が摂りにくい傾向にあります。

食事から摂るエネルギーや栄養素が不足している状態が続くと、身体が体脂肪や筋肉を燃やしてエネルギー源とするため、結果的に体重減少や栄養状態の低下を引き起こします。

体重減少や栄養状態状態の低下は活動性や認知機能までも低下させ、高齢者の生活の質を脅かす事にも繋がります。

間食を摂る事で、胃腸への負担を少なく不足しがちなエネルギーや栄養素を補う事ができ、体重や栄養状態を維持する事を助けます。

間食は嗜好品として楽しむという目的ももちろんありますが、高齢者にとっての間食は、「軽めの食事」としての意味合いもあるのです。

水分補給を促す

高齢になると喉の渇きを感じにくくなり、自発的に飲み物等で水分を摂る回数が少なくなる他、食事量が減少しやすい事で食品中に含まれる水分の摂取量が減り、水分不足に陥りやすくなります。

しかし、水分が不足する事によって便秘の他、脱水といった発見が遅れると危険な症状を引き起こす事もあります。

間食をお茶等の飲み物と一緒に摂る事や、果物やゼリー等の水分を多く含む食品を間食として取り入れる事で不足しがちなエネルギーや栄養素と一緒に水分も補給する事ができます。

嗜好品としての間食は、心を和ませ、会話を生む

あなたにとっておやつとは、どの様な存在でしょうか。ほっと一息つきたい時等に癒される、その様な方も多くいるかもしれませんね。それは高齢者も同じで、高齢者にとってもおやつは心を和ませる存在です。

自宅にいる高齢者は毎日が単調になりやすく、他の人と会話をする機会も少なくなりがちです。

会話が少なくなる事で気持ちが沈みやすくなる他、最近の研究では会話の現象が認知機能の低下に繋がるといった報告もあります。

おやつの時間に好きなお菓子や懐かしいお菓子等を味わう事で気持ちが明るくなり、そのお菓子の味の感想や自身の昔話等、他のご家族との会話にも繋がるでしょう。

この様な嗜好品としての間食は、高齢者の心を和ませ、会話を生み出すというメリットもあるのです。

高齢者におすすめな間食の選び方、食べ方

高齢者におすすめな間食の選び方、食べ方

前章では、高齢者における間食のメリットについてお伝えしました。間食のメリットを効果的に活用するためには、消化吸収能力や噛む力、飲み込む力といった高齢者の特性に配慮した間食の選び方や食べ方が大切です。

ここからは、高齢者におすすめな間食の選び方や食べ方についてお伝えします。

間食のエネルギーのめやすは200kcal前後。エネルギーや栄養素が補えるものを選ぶ

間食のエネルギーのめやすは1日に必要なエネルギー量の10%前後です。

高齢者が1日に必要なエネルギー量はその人の体格や活動量等にもよりますが1500kcal〜2000kcal程度なので、間食はざっくり見積もって200kcal前後のエネルギーが一つのめやすになります。

食事量が減少している場合は間食の回数を午前、午後の2回にして間食から摂るエネルギーを増やす等、その人の状況に応じて柔軟に対応する事もできます。

間食の内容は、不足しがちなエネルギーやタンパク質等の栄養素を補えるものがおすすめです。

例えば、エネルギー源となる炭水化物を主に含むおまんじゅうと牛乳を組み合わせる、筋肉や血液等もととなるの良質なタンパク質を多く含む卵を使ったプリン等はエネルギーとタンパク質を合わせて摂る事ができます。

脂質は控えめに、次の食事と間隔が狭まらない様にする

高齢になると消化液の分泌が減少したり、栄養を吸収する腸管粘膜の萎縮によって消化・吸収機能が低下します。

それによって、間食の内容や食べる時間によっては胃もたれや下痢といった消化不良による症状を引き起こす事があります。

間食の内容として揚げて調理するドーナツや生クリームをふんだんに使用した洋菓子等は消化に時間がかかり、胃もたれを起こしやすいという傾向があります。

普段から胃腸の調子を崩しやすい人は、間食の内容として脂質の少ない和菓子や、ドーナツやケーキと比較して脂質が控えめなビスケットやカステラ等を選んでみましょう。

また、間食を摂る時間が次の食事と間隔が狭い事で、食事の時間になっても満腹感があり、食事が充分に食べられないといった事もあります。

この様な事を防ぐには、間食と次の食事の間隔を3時間程度確保する事で、間食によって上昇した血糖値が穏やかにしたり、胃の内容物も小腸へ送り出された状態になるので、空腹の状態で食事の時間を迎えやすくなります。

水分と一緒に食べる、口当たりがよく水分を多く含むものを選ぶ

高齢になると、唾液の分泌量が減少する他、食べ物を噛む力や飲み込む力が弱くなるため、間食の選び方には配慮が必要です。噛む力が弱くなっている場合には硬い煎餅やクッキー等は食べにくいため、口溶けの良い煎餅やカステラ等の軟らかいものがおすすめです。

また、分泌量が減少した唾液や、自発的に摂取する事が少なくなりがちな水分を補うためにも、お茶等の飲み物と一緒に摂ると良いでしょう。

和菓子等の卵や乳製品といったタンパク源を使っていないものを食べる時は、お茶の代わりに牛乳等と一緒に食べるとタンパク質も補う事ができます。

食べ物を飲み込む力が弱くなっている場合には、水分が少ないものは喉に詰まりやすく、お茶等のさらさらとした水分はムセの原因となります。この様な場合には、水分やエネルギーを一緒に取れるゼリー等がおすすめです。

ドラッグストアー等でエネルギーやタンパク質が強化されたゼリーも販売されているので、冷蔵庫にいくつかストックしておくと便利です。

できれば家族と一緒に、会話を楽しみながら食べる

前章で既にお伝えしていますが、自宅にいる高齢者は毎日が単調になりやすく、誰かと会話をする機会が少なくなる傾向にあります。

そして、他者との会話をはじめとした社会的接触の減少は、認知機能の低下に深く関わる事が分かっています。

この事から、家族や介護者と一緒に会話しながらおやつの時間を楽しむ事は大切な事なのです。

間食の内容についても、季節感を感じるものやその人が好きなもの懐かしさを感じるものを用意する事で高齢者から話題を引き出しやすくなり、子供の頃の昔話や、「若い頃に喫茶店で食べたアイスクリームが美味しかった」等という様に、会話を元に用意する間食のヒントを教えてもらえる事もあります。

また、普段から食事や食べ物を会話の話題として取り上げる事で、食べてみたい物等が聞き取れる事も多いので、その人が食べてみたいお菓子等を間食に取り入れるのも良い方法です。

まれに持病がある高齢者のご家族より「お菓子を食べ過ぎて困っている」というご相談を頂く事もありますが、この様な場合も「会話をしながら食べる」事で同じ量でも食べ終わるまで時間をかける事ができ、適量でも満足感が得られやすいというメリットもあります。

高齢者におすすめな間食レシピ

ここからは、高齢者の間食としておすすめなおやつのレシピを少しだけご紹介します。

ご自宅で簡単に作る事ができますので、是非ご活用下さい。

バナナアイスクリーム

生クリームを使わない、高齢者が食べても胃もたれしにくいアイスクリームです。

タンパク質も摂れ、バナナの食物繊維やオリゴ糖、ヨーグルトの乳酸菌がお腹の調子を整えるので、便秘がちな方にもおすすめです。

きなこやすりごまをトッピングすると約100kcal程度にエネルギーアップできます。

バナナアイスクリーム

<材料 (3人分)>
・バナナ 2本
・はちみつ 大匙2
・プレーンヨーグルト 大匙3
・バニラエッセンス 適量

<作り方>
1.バナナは皮を剥き輪切りにする。
2.①とその他の材料をフードプロセッサーに入れ、攪拌する。
3.②をタッパーに流し込み冷凍庫に入れ、1時間冷凍したら一度かき混ぜ、更に1時間冷やして完成。

(1人分)約80kcal タンパク質1.3g

ふんわりおから入りお好み焼き

おからと長芋を加える事で、ふんわりと口当たり良く仕上がります。

甘くなく、タンパク質が豊富なので軽食感覚で食べられます。

おから入りお好み焼き

<材料 (3人分)>
・小麦粉 30g
・おからパウダー 20g
・水 100g
・卵 1個(ときほぐす)
・冷凍とろろ 100g(解凍しておく)
・キャベツ 2枚(千切り)
・桜えび 大匙2
・サラダ油 大匙1
・ソース 大匙1

<作り方>
1.小麦粉、おからパウダーをあわせ、水、卵、とろろ、キャベツ、桜えびを加えてよく混ぜる。
2.フライパンに油を熱し、①を食べやすい大きさに広げて両面を焼く。
3.焼き上がったらソースをかけ、鰹節や青のりをお好みでかける。

(1人分)約180kcal タンパク質7g 塩分0.5g

高齢者における間食は、身体と心の栄養になる。その人に合った量や形態を選ぼう

間食には3食の他にエネルギーや栄養素を補う、不足しがちな水分を補う、心を和ませ、会話を弾ませるといった役割があり、特に加齢による影響で食事量が減少しやすい高齢者にとって大切なものです。

しかし、高齢になると消化・吸収機能の低下、噛む力や飲み込む力の低下といった身体機能の変化が起こるため、間食の選び方や食べ方にも配慮が必要です。

高齢者は食が細くなりやすく、3食の食事では必要栄養量を摂る事が難しい傾向にあります。

そのため、間食のめやすは必要エネルギー量の10%程度、200kcal前後をめやすとしますが、エネルギーの他タンパク質等の栄養素が補える内容のものを選び、1食の食事量が少ない場合は間食の回数を増やす等柔軟に対応する事もできます。

また、脂質が控えめな和菓子等を選んだり、間食の後は次の食事まで3時間程度時間を空けるといった工夫をする事で消化・吸収機能の低下による胃もたれや下痢の防止に繋がります。

高齢者は喉の渇きを感じにくく、自発的に水分を摂りにくい傾向がある事や、唾液の分泌量が減少するため、間食とともにお茶や牛乳等を飲む事が望まれます。

噛む力が低下している場合は口溶けの良いものを選び、飲み込む力が低下している場合は水分が少ないものやさらさらとした水分は詰まりやムセの原因となるため、エネルギーと水分が一緒に摂れる口当たりの良いゼリー等がおすすめです。

家で過ごす高齢者は他者との会話が減りやすく、それが認知機能の低下に繋がる事もあります。

よって、間食を家族や介護者と会話をしながら食べる事は認知機能を維する事を助けます。

間食としてその人が好きなお菓子や食べてみたいお菓子、季節感や懐かしさがあるものを選ぶ事で会話が生まれやすくなります。

普段から会話の中で食の話題を挙げ、高齢者の要望にアンテナを張る事も大切です。

>oharu(おはる)

oharu(おはる)

自身のスポーツ経験から管理栄養士を志し、大学卒業後総合病院の管理栄養士として8年勤務する中で高齢者の栄養サポートやがん患者に対する緩和ケア等のチーム医療にも参加。現在は幅広い年齢層を対象に予防医療の分野で活動中。

【所有資格】・管理栄養士・日本糖尿病療養指導士・病態栄養専門管理栄養士・がん病態栄養専門管理栄養士