高齢者施設の老人食は魅力的!自宅の食事にも取り入れたい献立表&メニュー例

この記事を目に止めて下さったあなたは、高齢者施設の食事について、どの様なイメージをお持ちでしょうか?

味付けが薄い、刻んだ食事は見た目が悪い、その様なイメージをお持ちの方もいるかもしれませんね。

しかし最近では、食事には特に力を注いでいる高齢者施設は多く、ホームページ等に献立表や食事作りを担当しているシェフを掲載している施設も多くあります。

中にはホテルや旅館の食事の様な豪華な食事も紹介されており、献立のバリエーションの多さや季節感がある食事等、とても魅力的です。

また、高齢者施設の食事は多くの場合管理栄養士によって高齢者に必要な栄養量が摂取できる様に栄養価計算がされていますが、塩分等に配慮しながらも美味しく、高齢者が食べる楽しみが感じられる様な味付けの工夫もされています。

この事から、高齢者施設における食事の献立は、自宅介護での食事をより高齢者にとって魅力的で栄養面にもプラスになるヒントが沢山詰まっていると言えます。

今回本記事では高齢者施設における食事の魅力や、自宅の食事に高齢者施設の食事のメリットを自宅の食事に取り入れる際のポイントをお伝えします。

自宅で高齢者の食事作りに悩んでいるあなたも、高齢者施設の魅力的な食事を覗いてみませんか?

高齢者施設の食事のここがすごい!魅力的な4つの理由

高齢者施設の食事のここがすごい!魅力的な4つの理由

高齢者施設の食事は、高齢者に必要な栄養価や体調への配慮がされつつも、高齢者が楽しんで食事ができる様に多くの工夫がされています。

ここでは、高齢者施設の食事が魅力的な4つの理由についてお伝えします。

和食や洋食、郷土食等、献立のバリエーションが豊富

高齢者施設における食事の魅力の一つとして献立のバリエーションが豊富という点は外せない理由です。高齢者向けの食事で、尚且つカロリーや塩分等が計算された食事というと、魚等がメインのあっさりした食事がイメージされがちですが、和食やもちろんパンとハンバーグ、シチュー等の洋食や、七夕や敬老の日、クリスマス等の年間行事食、全国各地の郷土食等が提供される等、実に工夫がなされています。

また、高齢者本人が好みの方のメニューを選ぶ事ができる「選択メニュー」を取り入れている施設もあり、高齢者の「食べる楽しみ」が大切にされています。

栄養や塩分に配慮しつつも薄味に偏らず、メリハリのある味が楽しめる

既にお伝えした様に、高齢者施設の食事は管理栄養士によって栄養価計算され、脂質や塩分といった通常は摂り過ぎてしまいがちな栄養素も基準の範囲内に収まる様に献立や調理法が工夫され、不足しがちなカルシウム等は充分に摂れる様な食材を使用しています。

かつては栄養価計算された病院食や高齢者施設の食事は薄味で美味しくない、といった声も多く聞かれましたが、最近はだしの味やスパイス等を活用してうま味や香りで美味しさを演出する他、メインの一品にはしっかり味付けをして、副菜の味付けは調味料を控える等といった味のメリハリを付ける事で主食も進む、満足度の高い味付けに仕上げています。

食形態に関わらず、見た目にも配慮されている

食事の見た目は、食欲を左右する重要な要素ですが、噛む力や飲み込む力が弱くなった高齢者の食事は長時間の加熱や料理を潰したり刻んだりする事によって見た目が悪くなってしまうのでは?

と思う人もいるでしょう。しかし、高齢者施設の食事は舌で潰せる軟らかさの食事や刻みの形態であっても、例えば煮魚をミキサーにかけ滑らかにした後に魚の形に成形して美味しそうな煮魚に似せたり、色鮮やかな野菜のピューレを使って色味を添える等、どの様な食形態の人でも、目で見た段階から美味しさを感じられる様に配慮されています。

手作りのおやつも多く取り入れられている

おやつは食が細くなりがちな高齢者の不足しがちなエネルギーやタンパク質等の栄養素を補う役割を担う他、口にする事で心が和みます。

高齢者施設ではこの様なおやつを手作りで提供している施設も多くあり、「おやつレク」として実際に高齢者がスタッフのサポートを得ながらおやつ作りをし、身体機能や認知機能の維持を図るといった取り組みを行っている施設もあります。

手作りのおやつは旬の食材を取り入れる等して栄養価を高くしやすい他、高齢者が昔から慣れ親しんだ懐かしい味を表現しやすく、ぬくもりが感じられるのも良い点です。

おやつも毎日の献立と同様、和菓子や洋菓子、季節感のあるもの等様々なメニューで展開されています。

高齢者施設の食事のメリットを自宅でも取り入れるためのヒント

高齢者施設の食事のメリットを自宅でも取り入れるためのヒント

高齢者施設の食事は高齢者に必要な栄養量が摂取できるだけではなく、食事を美味しく、楽しく食べるための工夫がたくさんあり、実践の仕方さえ知れば、自宅介護の食事にも取り入れられる方法も多くあります。

自宅でも高齢者施設の食事のメリットを取り入れる事で、高齢のご家族の食事に対する満足度を上げる事もできます。

ここからは、高齢者施設の食事のメリットを自宅で取り入れるためのヒントをお伝えします。

高齢者本人が食べたいメニューや行事食を取り入れる

高齢者施設の食事は献立のバリエーションが豊富なのが魅力ですが、自宅介護では高齢者施設よりも、その人の嗜好に寄り添った食事作りができるのも事実です。

ホテルや旅館の様なおしゃれな献立にしなくても、まずは時間に比較的余裕がある日や準備に時間が取れそうな日等に食事を食べる高齢者本人が食べたいものを聞いてみるのも一つの方法です。

また、七夕には星形等に型抜きした野菜や千切りのきゅうり等を飾り付けたそうめんや、敬老の日には散らし寿司や炊き込みご飯、クリスマスにはミートローフやクリスマスケーキ等、行事食に関しては高齢者施設のメニューを参考にする事で、高齢者だけではなく家族みんなで美味しく食事が楽しめます。

一品ごとに味付けの強弱をつけたり、スパイスを使用する

高齢者施設では塩分制限の無い食事でも塩分の上限量が決まっています。その中でも美味しく食べられる味に仕上げるためには、既にお伝えしている様に料理ごとの味付けにメリハリを付ける等の様々な工夫がされています。

中でも自宅で取り入れやすい味付けの工夫として、メイン等の一品をしっかりした味付けにし、他のおかずには醤油等の塩分が多い調味料を使わず、かつお節等で和えるといっただしの風味や素材の味を活かした味付けにしたり、山椒やカレー粉、胡椒等のスパイスを使って塩や醤油の使用量を半分くらいにする、といった方法があります。

同じ塩分量でも味は表面に付けた方が感じやすいので、例えば魚等は調味液に漬けて焼くよりも、あんやソース等を上からかけるといった方法は塩分を使いすぎずに美味しく仕上げるための一つのポイントです。

また、高齢者施設ではおかずにしっかり味をつけるために、味噌汁や漬物等塩分を多く含む副菜を除いたり、量を減らして提供する事もあります。

持病があったり、塩分の取り過ぎが気になるといった場合は、自宅でも味噌汁を具沢山にして汁の量を半分にしたり、メインをしっかり味付けした時は漬物を除くといった工夫も活用できます。

食材や食器の色彩や見た目を意識して盛り付ける

前章でも既にお伝えした様に、食事の見た目は食欲を左右する重要な要素です。

高齢者施設でも色彩や形態に配慮して調理、盛り付けの工夫がされています。

自宅で見た目に配慮した盛り付けをしようとすると「特別な器具や技術が必要なのでは?」と難しく感じてしまいがちですが、例えば、ほうれん草や人参等色の濃い野菜を茹で、だし汁を加えてミキサーにかけピューレにすると、スプーンやポリ袋に入れ端を細く切る事でお粥や刻んだおかずにも鮮やかな色の模様を付ける事ができます。

また、ピューレにゼラチンを加えて冷やすと舌で潰せる軟らかさに固形化するので、有形の添え野菜に似せる事ができます。

しかし、自宅での食事作りは調理に手間や時間を費やす事が難しい日の方が多い事でしょう。

その様な場合は綺麗な色の食器を使う、食事を重箱に入れてお弁当風にする、綺麗な色や模様のランチョンマットを敷くといった方法もおすすめです。

自宅でも手作りのおやつを取り入れてみる

自宅にいる高齢者は、外出の機会も少なくなる事が多く、毎日が単調になりがちです。

その様な場合には、高齢者施設でも取り入れられている「おやつレク」の様に、高齢者と一緒に手作りのおやつを作ってみるのはいかがでしょうか。

自ら手を動かす事で空腹感が得られやすく完成したおやつを美味しく食べて栄養補給ができだけではなく、会話をしながら作業をする事で気持ちも明るくなります。

例えばクレープの様な小麦粉と卵、牛乳を使用したおやつはエネルギーの他タンパク質を補う事ができます。

また、フルーツやさつま芋、かぼちゃ等の野菜を使用したおやつはビタミンや食物繊維が豊富なおすすめのおやつです。高齢者と作る手作りおやつのレシピはこちらでご紹介しています。

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自宅でも取り入れたい!高齢者施設の献立表&メニューの一例

ここでは実際に、高齢者施設で提供されている献立やメニューの一例を一緒に覗いてみましょう。

献立やメニューの魅力や、自宅でも取り入れていきたいポイントも合わせてご紹介していきます。

献立例1〜土用の丑の日〜

献立のポイント
ご飯(パン)
味噌汁(スープ)
豆腐あんかけ
サラダ
佃煮(ヨーグルト)
・ご飯とパンがお好みで選択でき、パンに合わせてスープやヨーグルト等副食も選べます。
・ご自宅ではカップスープの素等を常備しておくと、牛乳やお湯を加えるだけでパンに合うスープが提供できます。
うなぎの散らし寿司
すまし汁
揚げ茄子
フルーツ
 ・うなぎを使用した献立は、実は高齢者に人気があります。うなぎを小さく切ってご飯に混ぜる散らし寿司は、高齢者でも食べやすいメニューです。
おやつ カステラ
ごはん
味噌汁
肉じゃが
ほうれん草のソテー
茶碗蒸し
・煮物の献立は茶色い色味になりがちですが、ほうれん草の緑で色彩か良くなります。
・茶碗蒸しが添えられるだけで、家庭料理も少し特別感が出ます。

レシピ紹介

鰻のちらし寿司

<材料 (2人分)>
・うなぎ蒲焼、たれ 1尾分(うなぎは一口大に切る)
・酒 50ml
・卵1個、油小匙1
・きゅうり1/2本、みょうが1個(千切り)
・ご飯 300g
・すし酢 大匙3

<作り方>
1.フライパンに酒と蒲焼のたれを入れ沸騰させ、うなぎを入れて煮詰める。
2.卵を溶きほぐし、フライパンに油を薄く敷いて薄焼き卵を作り千切りにする。
3.ボウルにご飯とすし酢をまぜ、皿に盛る。
4.①、②きゅうり、みょうが、を盛り付ける。

(1人分)約540kcal 塩分3.1g

・献立例2〜敬老の日〜

献立のポイント
麦ご飯
味噌汁
はんぺんと昆布の煮物
漬物
牛乳
・ご飯に押麦を混ぜる事で、白米よりも食物繊維やビタミンがアップします。健康意識が高い高齢者に喜ばれます。
・歯が丈夫な方であれば、ご自宅でも雑穀ご飯を取り入れてみてはいかがでしょうか。
栗入り赤飯
魚のみりん焼き
豆腐のきのこあんかけ
紅白なます
柚子風味すまし汁
・敬老の日を赤飯でお祝いしています。行事食は品数が豊富で塩分が多くなりがちですが、なます等の酢の物やすまし汁に柚子風味を添える等、減塩の工夫がされています。
・ご自宅でも醤油をレモン汁で割る等すると、風味と香りが加わり塩分が控えめでも美味しく食べられます。
おやつ コーヒーゼリー ・昔ながらの喫茶店メニューでもあるコーヒーゼリーはコーヒーとゼラチンで自宅でも作れ、ホイップクリームやアイスクリーム等のトッピングも楽しめます。
ごはん
チキンのマスタード焼き
ブロッコリーのピーナッツ和え
味噌汁
・マスタードの辛み、酸味や、ナッツの香ばしさを味付けに活用し、減塩の工夫が満載の献立です。

レシピ紹介

すまし汁

<材料 (2人分)>
・三つ葉 20g
・鳥ささみ 30g
・柚子の皮 適量(千切り)
・だし汁 300ml
・醤油、酒 各小匙1◆
・塩 ひとつまみ

<作り方>
1.三つ葉とささみは茹でておく。
2.鍋にだし汁を入れ、沸騰したら◆を加え、塩で味を調える。
3.汁碗にささみ、三つ葉を入れ、②を注ぐ。

(1人分)約30kcal 塩分0.7g

・献立例3〜外食の人気メニュー〜

献立のポイント
ご飯
納豆
野菜の五目煮
味噌汁
牛乳
・馴染みのある和食が安心感を与えます。昼食が麺類で塩分が多くなりがちなので、味噌汁や漬物を控えめにするのも良いでしょう。
わかめおにぎり
タンメン
餃子
フルーツ
・ラーメンとおにぎり、餃子といった、外食メニューはなかなか外食に行けない高齢者にとって嬉しいものです。
おやつ ヨーグルト抹茶ティラミス ・水切りヨーグルトを使用したヘルシーで色彩も綺麗なデザートです。自宅でも家族みんなに喜ばれます。
ごはん
鱈のめんたい焼き
かぶの煮物
味噌汁
・淡白にななりがちな白身魚もめんたい焼きにする事で、ご飯がすすむおかずになります。魚の表面に味が付いているので、減塩にも繋がります。

レシピ紹介

ヨーグルト抹茶ティラミス

<材料 (2人分)>
・ヨーグルト150g(一晩水切りする)
・カステラ1切れ(2つに切る)
・砂糖小匙2
・抹茶 適量
・カップ容器2個

<作り方>
1.抹茶を水で溶き、カステラに染み込ませておく。
2.水切りしたヨーグルトに砂糖を混ぜる。
3.カップ容器に②、①、②の順番で重ねて盛り付け、上から茶こし等で抹茶をふる。

(1人分)約150kcal 塩分0.1g

※1日分の献立で、1400〜1600kcal、塩分6〜8g程度になっています。

美味しくて栄養面も安心な、高齢者向け宅配弁当もおすすめ!

美味しくて栄養面も安心な、高齢者向け宅配弁当もおすすめ!

ここまでは高齢者施設における食事や献立、メニューの良い所を自宅でも取り入れる方法についてお伝えしてきました。

しかし、介護者が忙しい時や不在の時等、時間をかけずに高齢者施設の様な安全で美味しい食事が提供できたらいいのに、と思った事はありませんか?

その様な場合には、最近サービスを提供する企業が増えつつある高齢者向け宅配弁当サービスもおすすめです。

冷凍保存ができ、解凍するたけですぐ出せる他、高齢者施設と同様管理栄養士が献立を監修しているものが多く、栄養価計算もされているので栄養面も安心です。

食形態も舌で潰せるムース食から簡単に噛める一般的な軟らかいおかず等食形態も様々なので、その人の噛む力や飲み込む力に合ったお弁当を選ぶ事ができます。

もちろん基準量以内の塩分に配慮されつつも美味しく、彩りも綺麗で食欲をそそります。一度お試ししてみませんか?

高齢者施設の食事は自宅でも実践でき、高齢者の満足度を上げるヒントがたくさん!

かつて高齢者施設や病院の食事は栄養価計算がされているものの、薄味であまり美味しくないといったイメージを持たれがちでした。

しかし、最近は食事に特に力を注いでいる高齢者施設は多く、ホテルや旅館の食事の様な豪華な食事も紹介されており、献立のバリエーションの多さや季節感がある食事や手作りのおやつ等、とても魅力的です。

高齢者施設の食事は多くの場合管理栄養士によって高齢者に必要な栄養量が摂取できる様に栄養価計算がされていますが、塩分等に配慮しながらも美味しく、高齢者が食べる楽しみが感じられる様な味付けの工夫もされており、自宅介護での食事をより高齢者にとって魅力的で栄養面にもプラスになるヒントが沢山詰まっています。

この様な高齢者施設における食事の良いところを自宅で取り入れるためには、高齢者施設と比較して自宅であればより対応がしやすい高齢者の嗜好に寄り添った食事を提供する事や、季節の行事の際には七夕やクリスマス等その行事を意識した食事を取り入れる、手作りのおやつを高齢者と一緒に作るといった方法があります。

また、塩分に配慮しつつも美味しく食べられる味付けの工夫として、ソースやあんかけ等で表面に味を付ける、スパイスの香りやだしの風味を活かし、調味料での味付けのみに偏らず、一品ごとに味の強弱を付けるといった工夫を取り入れる事ができます。食事の見た目も食欲に関わる重要な要素なので、野菜の色彩を活かした盛り付けや、綺麗な色の食器やランチョンマット等で食事を美味しそうに演出しましょう。

最近各社が展開している高齢者向け宅配弁当サービスも、管理栄養士による献立監修によって塩分に配慮しつつも美味しく食べられ、高齢者が食べやすい軟らかさの食事を簡単に提供する事ができおすすめです。

>oharu(おはる)

oharu(おはる)

自身のスポーツ経験から管理栄養士を志し、大学卒業後総合病院の管理栄養士として8年勤務する中で高齢者の栄養サポートやがん患者に対する緩和ケア等のチーム医療にも参加。現在は幅広い年齢層を対象に予防医療の分野で活動中。

【所有資格】・管理栄養士・日本糖尿病療養指導士・病態栄養専門管理栄養士・がん病態栄養専門管理栄養士