高齢者も嬉しい!誕生日ケーキ。選び方の注意点と状況別ポイントは!?

誕生日に楽しむ誕生日ケーキは特別感があり、世代を問わず嬉しいものですよね。

高齢者施設や病院において高齢者を対象に行われる食事の嗜好調査でも、「食べてみたいデザート」としてケーキは上位にランクインする等、高齢者にとっても嬉しいものである事も分かります。

「高齢の家族の誕生日を、ケーキでお祝いしたい!」そう思う方も多いでしょう。

しかし、高齢になると噛む力や飲み込む力が弱くなる、食べ物を消化する機能が低下するといった身体機能の変化が伴い、誕生日ケーキを選ぶ際にも使用される食材や食感等、身体機能の変化への配慮が必要です。

今回本生地では、高齢者に誕生日ケーキを選ぶ際に注意したいポイントや、状況別に高齢者に誕生日ケーキを選ぶ際のポイントをお伝えします。

高齢者における誕生日ケーキの選び方についてポイントを押さえ、素敵なお祝いの日にしましょう!

高齢者も安心して食べられる誕生日ケーキの選び方、注意したいポイントは!?

高齢者も安心して食べられる誕生日ケーキの選び方、注意したいポイントは!?

高齢になると噛む力や飲み込む力の低下、食べ物を消化する機能の低下、持病がある等身体状況の変化が起こりやすくなります。

そのため、高齢者に誕生日ケーキを選ぶ際には食形態や使用している食材、脂肪分等の栄養面についても配慮できると安心です。

本章では高齢者も安心して食べられる誕生日ケーキを選ぶために、注意したいポイントをお伝えします。

安全に噛んで、飲み込めるケーキであるか

高齢になると噛む力や飲み込む力が弱くなり、食べられる食品が限られる事も多くあります。

誕生日ケーキをはじめとしたケーキは一般成人にとっては軟かく、高齢者にも問題なく食べられる、と思いがちです。

しかし、例えばタルト生地の様な歯触りのあるものや生地が乾燥しパサつくもの、大ぶりにカットされた果物が挟んであり食感が均一でないもの等は噛み切る事ができない、喉に詰まりやすい、口の中でまとまらずに誤嚥しやすいといったトラブルに繋がる事もあります。

高齢者に誕生日ケーキを選ぶ際にはその人が日頃食べている食材の硬さや大きさ、形態等を参考に、その人の咀嚼嚥下機能に合ったケーキを選ぶ事が大切です。

脂肪分は多すぎないか

加齢による身体機能の変化によって食べ物の消化や栄養素の吸収がしにくくなり、特にケーキに使用されるバターや生クリームに含まれる脂肪分は消化不良を起こしやすく、食後の不快感に繋がる事もあります。

そのため、高齢者に誕生日ケーキを選ぶ際には、使用されている食材やケーキのサイズ等に配慮し、脂肪分の量を控えめにする事で、食後の不快な症状を防ぎ、次の食事の時間に食が進まないといった事も起こりにくくなります。

持病による食事制限等はないか

高齢になると持病の治療のため、医師から食事内容に指示がある場合も少なくありません。

一般的に良く知られる様に、ケーキは糖分や脂肪分が多い食品です。

そのため、著しく持病の経過が悪い場合や、検査の前日等直前に食べる事で持病の経過、検査の結果に影響が出る場合もあります。

誕生日は特別な1日であり、誕生日ケーキを食べるのも1食だけなので、持病の治療中であっても主治医の判断で誕生日ケーキを食べられるケースは多くあります。

しかし、誕生日はケーキを食べる他にも食事内容が普段と異なる事も多いため、特にカロリー制限や脂質制限、タンパク質制限等の指示を受けている場合は、主治医に誕生日にケーキを食べる予定である事等を予め情報共有しておくと安心です。

また、医師からできるだけ普段通りの食事内容を心がける様指示があったり、高齢者本人がケーキを食べる事を不安に思う場合には、次の章で紹介する食事制限がある人向けのケーキを選ぶのも選択肢の一つとなります。

状況別に異なる、高齢者に誕生日ケーキを選ぶ際のポイントとは!?

状況別に異なる、高齢者に誕生日ケーキを選ぶ際のポイントとは!?

前章では高齢者も安心して食べられる誕生日ケーキを選ぶ際に注意したいポイントについてお伝えしました。

しかし、本当にその人にとって安心して食べられる誕生日ケーキを選ぶためには、個々の状況に沿ったケーキを選ぶ事が大切です。

本章では、前章で触れた噛む力や飲み込む力がが弱くなっている場合や、食べ物の消化に配慮するために脂肪分を控えたい場合、持病の治療による食事制限がある場合といった状況に分けて、高齢者に誕生日ケーキを選ぶ際の具体的なポイントをお伝えします。

噛む力や飲み込む力が弱くなっている場合は、口当たり滑らかなケーキがおすすめ

硬い食べ物が噛み切れない、汁物やお茶でむせてしまうといった症状が見られる場合には、軟らかい素材のケーキを選ぶ事に加え、口の中でばらけにくい形態のケーキを選ぶ必要があります。

この事を踏まえた上でおすすめのケーキは、クリームを巻き込んだロールケーキや、ムースケーキです。

また、ゼラチンを利用したレアチーズケーキも、ムースケーキと同等の食形態と言えます。

特に飲み込む力が弱くなっている場合には、飾りのフルーツは口の中でばらけやすく、誤嚥を引き起こす可能性もあります。

そのため、普段から飲み込みに不安がある高齢者にケーキを選ぶ際には、嗜好に合わせてフルーツの飾り付けがないロールケーキやムースケーキに市販のフルーツソースやチョコレートソース、生クリーム等で飾り付けをするといった工夫をする事もできます。

脂肪分を控えたい場合は、小さめサイズを選んだりクリームを手作りする

前章でお伝えした様に、消化機能が低下しがちな高齢者にとっては、ケーキの様な脂肪分が多い食品は食後の不快な症状の原因となります。

厚生労働省が編集している日本人の食事摂取基準によると、日本人の高齢者が摂取する脂質の中央値は45〜55g前後とされています。

下の表には主なケーキの脂質量をまとめていますが、ケーキ1個当たりの脂質量が普段摂取する脂肪分の半分以上を占めるものがほとんどです。

また、ケーキの脂肪分の2/3程度はデコレーション用のクリームに由来しています。そのため、普段から油を使った料理で胃もたれ等の症状を起こしやすいという場合は、直径の小さいケーキを選んで1切れあたりの大きさを小さくする、シフォンケーキに少量のクリームを添える、水切りヨーグルト等で低脂肪のクリームを手作りし、市販のスポンジケーキに自宅でデコレーションするといった工夫をする事で脂肪分が抑えられます。

レシピをご紹介している水切りヨーグルトのクリームは、ほぼ同量のホイップクリームと比較して8割以上の脂肪分がカットできます。

水切りヨーグルトクリーム

水切りヨーグルトクリーム

  • 材料(ケーキ1切れ分)
  • プレーンヨーグルト 80g
  • 練乳 小匙2
作り方
  1. ヨーグルトをキッチンペーパーを敷いたザルにあけ、1晩冷蔵庫で水切りする。
  2. に練乳を混ぜる。

約90kcal 脂質3.5g

ケーキとその他菓子類の脂質比較表
           
菓子類の種類 ショートケーキ チョコレートケーキ ロールケーキ レアチーズケーキ シフォンケーキ
カロリー(標準1個あたり) 約370kcal 約440kcal 約250kcal 約350kcal 約140kcal
脂質(標準1個あたり) 約25g 約30g 約20g 約30g 約7g

※標準1個…直径18cm型(6号サイズ)8等分

食事制限がある場合は、糖質やタンパク質量に配慮したケーキも選べる

持病の治療によりカロリー制限やタンパク質制限といった食事制限があっても、前章で触れた様に誕生日ケーキは1日だけの楽しみとして許可される場合も多くあります。

しかし、高齢者本人がケーキを食べる事を不安がったり、医師からできるだけ普段通りの食事を続けて欲しいといった指示があった場合には、糖質やタンパク質がカットされたタイプのケーキを選ぶのがおすすめです。

糖質やタンパク質がカットされたケーキは大手洋菓子チェーンやインターネット通販等で購入する事ができ、商品により栄養成分は異なりますが、一般的なケーキと比較してカロリーは3/1程度、糖質やタンパク質は7〜8割カットされている商品もあります。

ケーキのデザインや味も豊富なので、高齢者の嗜好にも配慮して選ぶ事ができるのが嬉しいポイントです。

高齢者の誕生日ケーキは、その人の身体状況や嗜好を考慮して選ぶ!

誕生日に食べるケーキは特別感があり、高齢者にとっても嬉しいものです。

しかし、高齢になると噛む力や飲み込む力の低下、食べ物を消化する機能の低下、持病があるといった身体機能の変化により、ケーキの選び方にも配慮が必要です。

高齢者でも安心して食べられるケーキを選ぶポイントは、その人の噛む力や飲み込む力に適した食形態である事、脂肪分が多すぎない事、持病がある場合にはカロリーやタンパク質量等の栄養成分に配慮する事が挙げられます。

噛む力や飲み込む力が低下している場合は、軟らかく口の中でばらけにくいロールケーキやムースケーキがおすすめです。

脂肪分を控えめにするためにはケーキのサイズを小さくしたり、クリームを手作りするという工夫ができます。

また、最近大手洋菓子チェーンやインターネット通販ではカロリーや糖質、タンパク質といった栄養成分に配慮したケーキが販売されているため、食事療法中の場合でも比較的安心して食べられます。

高齢者の身体状況に配慮しながら、その人の嗜好にも配慮したケーキ選びをする事でより楽しい誕生日となるでしょう。

 

>oharu(おはる)

oharu(おはる)

自身のスポーツ経験から管理栄養士を志し、大学卒業後総合病院の管理栄養士として8年勤務する中で高齢者の栄養サポートやがん患者に対する緩和ケア等のチーム医療にも参加。現在は幅広い年齢層を対象に予防医療の分野で活動中。

【所有資格】・管理栄養士・日本糖尿病療養指導士・病態栄養専門管理栄養士・がん病態栄養専門管理栄養士