高齢者の必要カロリーってどれくらい?簡単な計算式もご紹介!!

最近、自宅で介護をしている高齢のご家族が痩せてきたり、食事量が少なくなってきている等といった事から、「必要なカロリーに対して、食事からのカロリーは足りているのか気になる」といった事はありませんか?

「その人に必要なカロリーは、病院にかかって先生や栄養士から教えてもらうもの」そう思っている人も多いでしょう。

病院や高齢者施設で提供される食事は患者や利用者の必要なカロリーを考慮して献立が立てられていますが、必要なカロリーの計算は、方法を正しく知りさえすれば家庭でも行う事ができるのです。

その人に必要なカロリーを知る事で、カロリー不足への対策ができ、低栄養状態への移行を防ぐ事も可能です。

今回本記事では家庭でも可能な必要カロリーの計算方法や具体的な計算式についてお伝えし、高齢者に必要なカロリーがおおむね充足する食品の組み合わせについてもご紹介します。

日々の自宅介護に是非お役立て下さい。

※持病の治療で通院をしている場合等は必要カロリーについて自己判断せず、主治医に相談の上、指示を守りましょう。

必要カロリーを計算する上で重要な基準は「標準体重」

必要カロリーを計算する上で重要な基準は「標準体重

必要カロリーを計算する上で重要になるのは、その人の身長における標準体重を基準とする事です。

標準体重を基準とする事で、現時点で痩せていて栄養状態の低下が心配される人や体格的に肥満傾向にあり生活習慣病や膝への負担が心配といった場合にも健康的な体格に近づけるために必要なカロリーを知る事ができます。

BMIについて知り、標準体重を求めてみよう

BMIについて知り、標準体重を求めてみよう

ここでは、実際にその人の身長に対する標準体重の求め方をご説明します。

標準体重を求める際に係数として必要になるのがBMIという体格指数です。

BMIはその値によって、痩せ、標準体重、肥満といった体格に分類され、22が標準体重の中央値を示す値となっています。

BMIは体重を身長(m)の二乗で割って求め、体格を示す値は下の表に示している通り、高齢者の場合は20未満を痩せ、20〜24が標準体重、25以上が肥満と判定されます。

その人の身長に対する標準体重を求める際、例えば身長が160cmの人であれば、

1.6(m)×1.6(m)×22=56.32(kg)

となります。本記事では以下小数点第1位までを計算に使用します。

高齢者のBMIによる体格分類

体格 BMI
痩せ 20未満
標準 20〜24
肥満 25以上

高齢者の必要カロリーを求める計算方法はどの様な方法がある?

ここまでは、必要カロリーを計算する際の要となる標準体重の求め方についてお伝えしてきました。

実際に必要カロリーを求める際は、呼吸や心臓の拍動といった生命維持活動の他、日常生活等の身体活動で消費されるカロリーを考慮する必要性があります。

ここからは、実際に必要なカロリーを求める際の考え方や計算式についてお伝えします。

標準体重あたりの基礎代謝量に身体活動レベルを考慮して計算する

その人の必要カロリーを求める計算方法の一つに、標準体重あたりの基礎代謝量に身体活動レベルを考慮した係数をかけて求めるといった方法があります。

この方法は、厚生労働省によって編集されている「日本人の食事摂取基準」における必要カロリーの算出にも採用されている方法です。

基礎代謝量は標準体重に基礎代謝基準量をかけて求められ、70歳以上の基礎代謝基準量は男性21.5kcal/kg/日、 女性:20.7kcal/kg/日となります。

160cmの男性を例として前章で求めた標準体重を用いて基礎代謝量を計算すると、

56.3×21.5=1210.5kcal

となります。

これに下の表に示した身体活動レベルに該当する係数をかけて必要カロリーを計算します。

高齢者の場合は、日常においてベッド上や座位での生活が主である場合は身体活動レベルとしては低いI、立位での作業や家事等を行う場合は身体活動レベルとしてはふつうのIIといった様に分類されます。

この場合、身体活動レベルをふつうとして計算すると、

1210.5×1.5=1815.8kcal

となり、この人に必要なカロリーは約1820kcalという事がわかります。

尚、現時点で極端に痩せている人の場合は、突然標準体重を基準にしたカロリーを摂取すると身体に負担がかかる事もあるため、段階的なカロリーアップを図りましょう。

高齢者における身体活動レベルと身体活動係数

身体活動レベル 低い(I) ふつう(II) 高い(Ⅲ)
身体活動係数 1.3 1.5 1.7
日常生活の内容 生活の大部分が座位 座位中心であるが、移動や立位での作業、家事、軽いスポーツ等を行っている 移動や立位での作業が多い。またはスポーツ等を活発に行っている

標準体重に25kcal〜30kcalをかけておおまかに計算する

前項では必要カロリーを計算する際の基本的な方法をお伝えしました。

しかし、基礎代謝基準量等の係数を覚えておくのは難しい、といった人も多いでしょう。

その様な場合に必要カロリーをより簡単に計算する方法として、標準体重に25〜30kcalをかけて計算するといった方法もあります。

この25〜30kcalという係数は、座位での作業〜立位での作業といった、身体活動レベルで表すと低い〜ふつう相当の体重1kgあたりが消費するおおまかなカロリーです。

身体活動レベルが「低い」に相当する人は標準体重×25kcal、「ふつう」に相当する人は×30kcalを用いると良いでしょう。

この方法で身長160cm、標準体重56.3kg、の人の必要カロリーを1kgあたりの消費カロリーを30kcalとして計算すると、

56.3×30=1689kcal

となり、この場合この人の必要カロリーは約1690kcalと表されます。

こちらの方法では、前項の計算方法と比較して、100kcal程少ない値となる事を考慮すると良いでしょう。

高齢者に必要なカロリーが不足なく摂れる食事とは??

高齢者に必要なカロリーが不足なく摂れる食事とは??

ここまでは、高齢者に必要なカロリーを計算する方法についてお伝えしてきました。

しかし、その人に必要なカロリーを知る事と同じく重要な事は「現状の食事で必要なカロリーを満たす事ができているか」確認する事です。

万が一、カロリー不足の状態を見過ごしてしまう事で体重減少の原因となり、低栄養状態に移行しやすくなります。

下の表に1日およそ1800kcalのカロリーを摂取するために必要な1食分の食品別めやす量を示しています。

食事からの摂取カロリーのカギとなるのは主食量、主菜の大きさ、油の使用量、乳製品や果物を摂っているか等といった点です。

しかし、各食品の量を考慮しながら献立を考えるのは簡単な事ではありません。

そこでおすすめなのが、最近各社が展開している「高齢者向け宅配弁当サービス」です。

高齢者向け宅配弁当は高齢者に必要なカロリーをもとに管理栄養士が献立を監修しているため、レンジで解凍するだけで高齢者に必要なカロリーを満たした食事を手軽に摂る事ができます。

また、高齢になると活動性の低下等から食欲不振が起こりやすく、3食で1日に必要なカロリーを摂る事が難しい場合も多くあるため、間食を取り入れる、少量高カロリーな食品を使用するといったカロリー補給のための対策が必要です。

高齢者における食事からの摂取カロリー不足の原因や対策についてはこちらの記事もご参照下さい。

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高齢者が食事からの摂取カロリー不足に陥る原因とは!?その対策もご紹介!

・高齢者の食事1食分の食品別めやす量(1800kcal タンパク質約70gを想定)

食品の分類 主な食品 1食分の大まかな目安量
主食 ご飯、パン、麺 ・ご飯茶碗1膳(約180g)
・食パン 6枚切り2枚
・ゆでうどん 1袋
主菜 肉、魚、卵、豆腐 ・肉、魚 拳1つ分
・卵 1個
・豆腐 1/4丁(100g )
・納豆 (40g)
副菜 野菜、きのこ、こんにゃく、海藻 ・野菜100g以上が理想
・きのこ、こんにゃく、海藻はその人の噛む力、飲み込む力に合わせて使用

  ・1日の中で適量を摂りたい食品

食品の分類 主な食品 1食分の大まかな目安量
乳製品  牛乳、ヨーグルト ・牛乳、ヨーグルト 約200ml
果物  生の果物 ・例:
りんごなら1/2個
みかんなら2個程度
油脂類 油、バター、マヨネーズ等 ・大さじ1杯程度

高齢者に必要なカロリーの計算式を知り、食事からの摂取カロリー不足を予防しよう

「その人に必要なカロリーは、病院にかかって先生や栄養士から教えてもらうもの」と思っている人も多いでしょう。

病院や高齢者施設で提供される食事は患者や利用者の必要なカロリーを考慮して献立が立てられていますが、必要なカロリーの計算は、方法を正しく知りさえすれば家庭での計算も可能です。

その人に必要なカロリーを知る事によって、カロリー不足への対策ができ、低栄養状態への移行を防ぐ事も可能です。

必要カロリーを計算する上で基準となるのがBMIという体格指数において22で表される標準体重です。

標準体重を用いて必要カロリーを計算する事で現在痩せている人も肥満傾向にある人もより健康的な体格に近づくために必要なカロリーを知る事ができます。

本記事では、必要なカロリーを計算する方法として標準体重における基礎代謝量に活動レベルを考慮した係数をかけて計算する方法と、身体活動によって体重1kgあたりが消費するとされている25kcal〜30kcalを標準体重にかけてより簡単に計算する方法をお伝えしました。

また、その人に必要なカロリーを知る事と同じく重要な事として、現在の食事で必要なカロリーを満たす事ができているかといった事があります。

主食量や主菜の大きさ、油や乳製品、果物を適量摂取できているか確認する事が必要です。

食品の重量を考慮する事等が難しい場合には最近各社が展開する高齢者向け宅配弁当サービスは高齢者に必要なカロリーをもとに献立が立てられ、必要なカロリーを満たした食事を手軽に食べる事ができるのでおすすめです。

高齢になると活動性の低下等から食欲低下が起こりやすく、3食だけでは1日に必要なカロリーを摂取する事が難しいといった事も多いため、間食を取り入れる、少量高カロリーな食品の使用等カロリー補給のための対策も必要です。

>oharu(おはる)

oharu(おはる)

自身のスポーツ経験から管理栄養士を志し、大学卒業後総合病院の管理栄養士として8年勤務する中で高齢者の栄養サポートやがん患者に対する緩和ケア等のチーム医療にも参加。現在は幅広い年齢層を対象に予防医療の分野で活動中。

【所有資格】・管理栄養士・日本糖尿病療養指導士・病態栄養専門管理栄養士・がん病態栄養専門管理栄養士