高齢者の食事、バイキングのメリットとデメリットは!?自宅でのポイントをご紹介!

バイキング形式の食事は誰にとっても特別感があり、ワクワクするものです。

食事の際のワクワク感は食欲を増進させる事も多く、高齢者施設等でもバイキング形式の食事をイベントとして取り入れる事も多くあります。

高齢者が自宅で生活している場合には、身体機能の低下により外出が難しくなったり、外出社会的関わりの減少等によって日常生活が単調になりやすいといった傾向があります。

その様な場合に、自宅でもバイキング形式の食事を取り入れる事ができたなら、家族みんなで楽しむ事もでき、素敵ではないでしょうか。

しかし、自宅でバイキングを実施する際には、マンパワーも限られているため多くの品目の食事を用意する事や、高齢者本人の健康を考えると栄養のバランスに偏りなく料理を選んでもらうにはどうしたら良いかといった悩みも生まれます。

私も病院勤務時代に高齢の糖尿病患者を対象にバイキング形式の食事を企画し、実施した経験がありますが、やはり限られたマンパワーでの調理、配膳や栄養のバランスに関しては何度も試行錯誤を重ねました。

自宅での食事をバイキング形式でスムーズに実施するには、バイキングのメリットだけではなくデメリットも理解し、解決策を把握しておく必要もあります。

今回本記事では、バイキングのメリット、デメリットの他、デメリットに対する解決策を交えた自宅でバイキングを行う際のポイントをお伝えします。

高齢者の食事におけるバイキングにはどの様なメリットがある??

高齢者の食事におけるバイキングにはどの様なメリットがある??

バイキングには自分が好きなメニューを好みの量で取り分けて食べる事ができ、その日の気分によって食事の量や内容を自在に調節できる点が魅力です。

この様な魅力があるバイキングは日常生活が単調になったり、身体機能の低下により食が細くなりやすい高齢者にとって多くのメリットがあります。

本章では、高齢者の食事におけるバイキングのメリットについてお伝えします。

食事を選択する楽しみが味わえる

バイキングの一番のメリットと言えるのが、好きなメニューを好きな料理で選べるといった点でしょう。

全世代に共通して言える事ですが、その時に食べたいものと言うのは、その日の気分や体調によって違うものです。

特に外出が難しい事が多い高齢者は、外食等でメニューの中から自分が好きなものを選ぶ機会が減るため、食事を選択する楽しみからは遠ざかってしまいがちです。

自宅で行うバイキングであれば、外出が難しい高齢者でも食事を選ぶ楽しみを味わう事ができます。

食欲の増進に繋がる事も多い

冒頭でもお伝えした様に、身体機能の低下により活動量が減り、外出の機会が減る事や、親しい人と会話をする機会等が減る事で日常が単調になりやすくなります。

活動量が減る事や日常が単調になる事で気分が沈みがちになる事も多く、食欲不振となる事も少なくありません。

しかしバイキングで好きなメニューを選ぶ楽しみが味わえるという体験は、良い刺激となり、食欲の増進に繋がる事も多くあります。

実際に私の経験上でも、バイキングの時には自分で選んだメニューと量という事もあり、ほとんどの方が食事を楽しみながら完食していました。

食事のバランスを意識するきっかけづくりになる

次の章でもお伝えしますが、自分が好きなメニューを好みの分量で取り分けられるバイキングは、食事の栄養面でのバランスや自分にとっての適量を意識せずにメニューや量を選ぶと、栄養の偏りや食べ過ぎに繋がる事もあります。

しかし、このデメリットを逆手に取ると、バイキング形式で食事をする事は栄養面のバランスや自分にとっての適量を「食事を選ぶ」という実体験を通して意識するきっかけにする事もできるのです。

実際にバイキングでの食事は、病気の糖尿病教室等でもその人にとっての適正なカロリーや栄養のバランスを学ぶ場として取り入れられています。

高齢者の食事におけるバイキングの注意点は?デメリットはどんな点?

高齢者の食事におけるバイキングの注意点は?デメリットはどんな点?

前章では高齢者の食事におけるバイキングのメリットについてお伝えしてきましたが、特に自宅でバイキングを行う際には普段の食事とは異なる準備が必要となり、高齢者の食環境も変わるため、安全かつスムーズに実施するためにはバイキングのデメリットを知っておく必要もあります。

本章では高齢者の食事におけるバイキングの注意点やデメリットについてお伝えします。

食事内容の偏りや食べ過ぎに繋がりやすい

バイキングは自分の好きなメニューを好みの分量で選ぶ事ができ、食事を選ぶ楽しみを味わう事ができる事はメリットの一つです。

しかし、好きなメニューを自分で選択する事でその人の好みが選んだメニューに反映されるため、例えばご飯とうどんを同時に選択している、野菜料理を選択していないといった食事内容の偏りが生じやすいといったデメリットがあります。

また、バイキングの際には気分が高揚している事や食卓の環境が変わる事で普段の食事量をイメージしにくくなり、食べ過ぎに繋がりやすいといった面もあります。

食事の提供方法によっては介助をする等の人手が必要

バイキングの基本的な形式として思い浮かべるのは、料理が並んでいるスペースまで歩いて移動し、トング等で料理を取り分けるといったシーンではないでしょうか。

しかし、高齢者も同じ様にバイキングを行おうとすると、自宅で実施する場合においても手指の力が弱い高齢者が料理をスムーズに取り分けできず、介助を要する場合が多くあります。

介助が必要な場合は当然人手も必要になりますが、自宅でバイキングを行う場合には人手の確保が簡単ではない場合がほとんどです。

そのため、次の章でもお伝えする様に、食事の提供方法を高齢者も簡単に手に取る事ができる様に工夫する事が必要です。

料理の品目数が多く必要となるため、調理をする人の負担が大きい

バイキングにおいて食事を選択する楽しみが味わえる点は最大のメリットであるとお伝えしてきましたが、食事の選択を楽しむという事はその分多くの品目の料理を提供する必要があるという事になります。

高齢者の食事は噛む力や飲み込む力によって、食材の選び方や大きさ、軟らかさ等に配慮が必要な場合も多く、1食分を用意するだけでも多くの労力を必要とします。

そのため、普段よりも多く品目の料理を用意する事は、食事を調理する人にとっては大きな負担となってしまいます。

自宅で高齢者も安全に楽しめるバイキングを実施する際のポイント

自宅で高齢者も安全に楽しめるバイキングを実施する際のポイント

ここまでは高齢者の食事におけるメリットやデメリットについてお伝えしてきました。

デメリットへの対策をする事で、自宅でもバイキングのメリットを最大限に活かす事ができ、高齢者の活気や食事への意識づけに繋げる事ができます。

本章では、高齢者の食事にとってデメリットとして挙げられる点に対する解決策を交えながら、自宅でも安全かつスムーズにバイキングを楽しむためのポイントをお伝えします。

料理を選ぶ際の目安の品目数をあらかじめ伝えておく

バイキングを栄養のバランスや適量を意識しながら楽しんでもらうためには、主食や肉、魚料理、野菜料理、デザートといった料理の区分や、それぞれどれくらいの品数を選ぶと栄養のバランスが整うかといった情報を高齢者にアナウンスする方法がおすすめです。

料理の区分ごとに配置場所をまとめたり、小さなホワイトボードや黒板に「パンかご飯、主食をどちらか選んだら、肉料理か魚料理から1品、野菜料理から2品選びましょう」といった様なメッセージを書いて置いたり、口頭で伝える事もできます。

事前にアナウンスをする事で、高齢者自身も迷わずに、食事の内容や量に迷う事なく料理を選ぶ事ができます。

また、少し手間はかかりますが、お盆のサイズに合う紙を用意し、主食、肉や魚の料理、野菜料理を実際に配置する場所を色分けして記載したものをランチョンマットとして使用するといった方法もあります。

ランチョンマットを用いる方法は、ゲーム感覚でバランスの良い食事選びを楽しむ事ができます。

料理は盛り付けをした状態で提供する

前章でもお伝えした様に、高齢者になると手指の力が弱くなるため、料理をトングや箸で取り分ける場合には多くの場合で介助を必要とします。

しかし、提供の仕方によってはつきっきりでの介助をしなくとも、高齢者本人が自主的に好きなメニューを選び取る事が可能になります。その方法は、料理を予め1人分の分量を食器に盛り付けて配置する方法です。

この提供の仕方はホテル等でのバイキングでも取り入れられている方法でもあり、取り分けの手間なく料理を手に取る事ができる点がメリットです。

料理を盛り付けた状態で提供する際には、高齢者でも持ちやすい、軽めの食器を選ぶのがおすすめです。

この方法は、介助のための人手を減らせるだけではなく、高齢者本人にとっても「自分自身で食事を取る事ができた」という達成感や自信にも繋がります。

バイキングの一品にも高齢者向け宅配弁当が便利!

バイキングで料理を選ぶ楽しみを味わってもらうためには、多くの品目の料理を用意する事が必要であるため、その点が最大のネックになっている人は多いのではないでしょうか。

確かに1人で全て普段よりも多い品目の料理を手づくりで用意するのは至難の業とも言えますが、ここではバイキングの料理の一品として、最近各社が展開している高齢者向け宅配弁当サービスを利用する方法をおすすめします。

高齢者向け宅配弁当サービスでは、殆どの場合おかずのみが冷凍で届くため、レンジで解凍し、食器に移し替えるだけで手軽に一品料理として食卓に並べる事ができます。

宅配弁当のおかずを1〜2食分利用する事で、調理をする品目は普段と同じにする事が可能になるのです。

また、高齢者向け宅配弁当のおかずはムース食から通常の形態まで幅広いため、高齢者本人の噛む力や飲み込む力に合った形態を選ぶ事ができるのも大きなメリットです。

高齢者の食事をバイキングにする際はメリット、デメリットを理解しておこう!

バイキング形式の食事は誰にとっても特別感があり、食事の際のワクワク感は食欲を増進に繋がる事も多くあります。

そのため、多くの高齢者施設等においてもバイキング形式の食事をイベントとして取り入れられています。

高齢者が自宅で生活している場合には、身体機能の低下により外出が難しくなったり、外出や社会的関わりの減少等によって日常生活が単調になりやすいといった傾向がありますが、自宅でもバイキング形式の食事を取り入れる事ができれば、家族で食事を楽しみながらバイキングのメリットを感じる事ができます。

バイキング形式の食事には、食事を選択する楽しみを味わえる事の他、食欲の増進が期待できる事、栄養のバランスや自分にとっての適量を意識するきっかけになるといった多くのメリットがありますが、自宅でバイキングを実施する際には、限られたマンパワーで料理の取り分けを介助したり、多くの品目の食事を用意する必要がある事、食事内容の偏りや食べ過ぎに繋がる事もあるというデメリットもあります。

この様なデメリットの部分を解決し、高齢者も安全にバイキングを楽しむためのポイントは、予め料理の区分ごとに選ぶ品数のめやすを示しておき、栄養のバランスやその人にとっての適量に配慮する事や、予め1食分を食器に盛り付けて提供し、少しの介助でも高齢者が自発的に料理を手に取る事ができる様にする事、バイキングで提供する料理の一品として、高齢者向け宅配弁当サービスのおかずを利用し、調理の負担を軽減するといった方法があります。

この様に、バイキングにはメリットだけではなくデメリットもありますが、デメリットを予め把握しておく事で対処し、自宅でもバイキングを安全に楽しむ事が可能になります。

>oharu(おはる)

oharu(おはる)

自身のスポーツ経験から管理栄養士を志し、大学卒業後総合病院の管理栄養士として8年勤務する中で高齢者の栄養サポートやがん患者に対する緩和ケア等のチーム医療にも参加。現在は幅広い年齢層を対象に予防医療の分野で活動中。

【所有資格】・管理栄養士・日本糖尿病療養指導士・病態栄養専門管理栄養士・がん病態栄養専門管理栄養士