高齢者向け惣菜の通販、そのメリットやおすすめの選び方は!?管理栄養士が解説!

インターネット通販では高齢者も美味しく食べられる惣菜が多く取り扱われ、インターネット上ではおすすめの商品を紹介しているページを目にしたり、「遠方に暮らす高齢の親に仕送りとして利用している」といった口コミも寄せられています。

この事から、通販で販売されている惣菜は高齢者にとっても需要が高い事がわかりますが、実際にどの様なメリットがあるのか、商品選びをする際に知っておきたい状況別のポイント等は多く語られていません。

通販で販売されている惣菜は買い物や調理の手間が省けたり、保存性が高いという点に優れますが、食事に惣菜を取り入れる目的や、その人の身体状況によって商品を選ぶ際のポイントは異なります。

今回本記事では、通販で販売される高齢者向け惣菜のメリットや状況別の商品の選びについてお伝えします。

その人に合った惣菜を食事に取り入れる事で、もっと便利に食事を楽しむ事ができ、健康管理にも役立ちます。

高齢者向け惣菜の通販、おすすめポイントやメリットは!?

高齢者向け惣菜の通販、おすすめポイントやメリットは!?

高齢になると足腰が弱くなる、体力が低下するといった理由で頻繁に買い物に行く事が難しくなる場合も多くなります。

高齢者にも需要が高まっている通販の惣菜は、買い物に出かけずとも自宅に商品が届く便利さや、スーパーで販売されているパック詰めの惣菜に比較して保存性が高いという特徴があります。

また、最近では軟らかく調理されたり、塩分が控えめに調理されているといった高齢者向けの商品も増えています。

本章では、通販で販売される高齢者向け惣菜のメリットについてお伝えします。

惣菜の通販なら、買い物や調理の手間を減らす事ができる

近年ではスーパーの閉店が相次ぐ事や、交通の便がない事で買い物が困難になる高齢者が増加しています。

また、加齢に伴って手先の筋肉や足腰が弱くなり、一般的に調理に手間や時間をかける事が難しくなります。

そんな時に便利なのが通販で販売されている高齢者向けの惣菜です。通販の惣菜であれば自宅に配達されるので買い物に出かける必要がなく、湯煎調理やレンジ調理等短時間の調理や、加熱調理をせずに食べられるため調理の手間もありません。

そのため、特に一人暮らしの高齢者の他多忙のため食事の用意に時間がかけられない介護者にも重宝されています。

注意点としては、最近の通信販売の手段はインターネットが主流のため、高齢者自身が注文をする事はインターネットが使えない、操作に不慣れであるといった理由で敬遠される場合も多くあります。

そのため、商品の注文は家族が代行したり、高齢者が安全に惣菜を利用するためにはレンジの時間設定をはじめとした調理方法も一緒に確認するといったサポートも必要です。

惣菜の通販なら、冷凍や常温保存で長期間保存できる

一般的にスーパー等でパック詰めで販売されている惣菜も、調理の手間が省け便利ですが、消費期限が当日〜翌日と短いというデメリットもあります。

それに対し、通信販売で販売される惣菜はレトルトパウチのものや、冷凍の状態で配送されるもの等様々で、いずれも常温保存や冷凍保存で長期保存が可能であるというメリットがあります。

常温保存が可能なレトルトパウチの惣菜は、保存場所を選ばないので省スペースである事や、加熱調理なしで食べられるものを選べば非常食として備蓄も可能です。

湯煎調理が必要なものに関しては、高齢者の火の元の取り扱いに注意が必要です。

一方、冷凍の惣菜は1食分の副食がパッキングされている事が多く、レンジで加熱して主食と合わせる事で栄養価計算をしなくても栄養バランスの良い食事がすぐに食べられます。

1回分の配送単位が1週間分〜といった様にまとめて配達されるため、冷凍庫のスペースがない場合には保冷容器の貸し出しがあるメーカーを選択する等の対策が必要です。

高齢者向けの惣菜なら、噛む力が弱くても食べやすく、塩分控えめの商品も揃う

高齢になると噛む力や飲み込む力が弱くなり、野菜が硬い、肉や魚はパサついて口の中でまとまりにくい等、食べにくい食材や料理が増えてくるものです。

そのため、惣菜の便利ささ知っていても、「食形態が合わなかったらどうしよう」と購入をためらってしまう人も多くいます。

しかし最近は各メーカーが高齢者向けに軟らかく調理した惣菜を販売しているので、噛む力や飲み込みに不安がある場合でも食べやすい商品が増えています。

レトルトパウチや冷凍等形態も様々なので、その人の生活スタイルに合った商品が選べます。

その他、通販で販売されている高齢者向けの惣菜には塩分が控えめに調理された商品もあり、持病や健康管理のために食事の内容に配慮が必要な高齢者にも安心して利用できます。

高齢者向け惣菜の通販、知っておきたい商品の選び方は!?

高齢者向け惣菜の通販、知っておきたい商品の選び方は!?

前章では通販の高齢者向け惣菜のメリットについてお伝えしました。

しかし食事に惣菜を取り入れる目的は一人一人異なり、高齢者の身体状況は個人差が大きいのも事実です。

そのため、通販の惣菜のメリットを活かし便利に利用するためには「非常用の備蓄としても利用したい」「塩分を控えたい」といった状況に合わせた商品選びが重要です。

本章では、高齢者が通販の惣菜をより便利に利用するために知っておきたい商品の選び方をお伝えします。

保存性を重視するならレトルトパウチタイプの惣菜を選ぶ

前章でお伝えした様に、レトルトパウチの惣菜は常温で長期保存ができ、保存場所を選ばないというメリットがあります。

そのため、自宅にストックを多く置いておきたい、災害等の緊急時の食事として備蓄しておきたいという場合には、レトルトパウチタイプの惣菜がおすすめです。

災害時の食事の備蓄としては、3日分程度の量が必要と言われています。

加熱調理をしなくても食べられるレトルトパウチのお粥と惣菜をセットにして、10食分程用意しておきましょう。

また、災害時の食事はビタミン類が不足しやすいため、飲み込みに問題がない場合は野菜ジュース、水分でむせやすい場合はビタミン入りのゼリー飲料も合わせて用意しておくと、ビタミンの補給ができます。

しかし、いざという時のためにレトルトパウチの総菜を備蓄しておいても、災害時等の状況下において食べ慣れないものは摂取が進まないといった事も珍しくはありません。

レトルトパウチの惣菜の賞味期限は製造から1年半前後なので、普段の食事で食べながら備蓄用の食品を入れ替えていく(ローリングストック)必要があります。

普段から口にする事で、噛む力や飲み込む力の状態に変化があった時にもその時の咀嚼・嚥下機能に合った食形態の備蓄食品に入れ替える事が可能になります。

その人に合った食形態の商品を選ぶ

高齢になると噛む力や飲み込む力が弱くなる事が多く、それによって食べられる食品や料理が限られる事も少なくありません。

また、食べにくい食形態の食事を食べ続ける事は、充分な量の食事が摂れず栄養状態が低下する原因となったり、誤嚥による肺炎を起こす危険性もあります。

そのため、高齢者が通販の惣菜を利用する際にはその人に合った食形態の商品を選ぶ事が大切です。

惣菜を通販で購入する際に食形態を確認する方法は、サンプルを取り寄せて実際に試食してみるという方法もありますが、日本介護食品協議会が制定した「ユニバーサルデザインフード」という指標を目安にすると便利です。

通販で販売されるレトルトパウチや冷凍の惣菜にも、高齢者向けに食べやすい食形態に調理されたものには商品の紹介ページやパッケージにユニバーサルデザインフードの分類が記載されているので確認する様にしましょう。

ユニバーサルデザインフードでは下の表に示している様に、例えば「歯茎でつぶせる」食形態の例として軟飯や煮魚が例として挙げられており、普段自宅で食べている料理をもとに適した段階の目安を知る事もできます。

しかし実際には脂がのった魚を使用するかそうではないか等、使用される食材や本人の唾液の分泌量等によって同じ食形態の状態でも食感の感じ方は異なり、食形態がその人に合うかどうかはユニバーサルデザインフードで全て判断できるわけではないという点もあります。

そのため、同じ食形態の段階の異なるメーカーの商品を食べ比べてみるのも良い方法と言えます。

※ユニバーサルデザインフード…日本介護食品協議会が制定。軟らかさに応じた4段階の食形態の他、とろみの有無によって食形態を区分し、料理としての形態も例として紹介されている

食形態の段階 容易にかめる 歯茎でつぶせる 舌でつぶせる 噛まなくてよい
料理の形態の例 米飯/焼き魚 軟飯/煮魚 全粥/魚のほぐし身+あんかけ ペースト粥/煮魚の裏ごし

栄養成分が気になる場合は高齢者向け宅配弁当や塩分控えめタイプの惣菜を選ぶ

持病による食事制限や健康に配慮するために毎日の食事の栄養成分が気になるという場合には、カロリーや塩分等が調整された高齢者向け宅配弁当やレトルトパウチの惣菜を選ぶのがおすすめです。

高齢者向け宅配弁当は主食、主菜、副菜が1食分揃っているので栄養価計算をせず、簡単に栄養管理をする事が可能です。

カロリーが調整された高齢者向け宅配弁当の惣菜は1食当たり200kcal〜300kcalのカロリー設定が主流で、塩分控えめのタイプでは1食当たり2g以下の製品が主流です。

例えば医師より1日1600kcal程度のカロリー制限の指示がある場合は、1食につき宅配弁当の惣菜に加え、約250kcalに相当する主食であるご飯150gを組み合わせる事で1日分のカロリーが管理できます。

カロリー制限がある場合には惣菜に組み合わせる主食量によってカロリーが左右されるため、ご飯等の主食は必ず計量して組み合わせるのがポイントです。

また、例えば1日6g以下といった塩分制限がある場合であれば、1食当たり塩分2g以下の惣菜を3食取り入れる事で塩分管理も簡単です。組み合わせる主食について、白いご飯であれば塩分はほぼありませんが、炊き込みご飯やパン、麺等を組み合わせると1食当たり塩分が1g程追加されます。

惣菜の他、ご飯のお供に漬物を追加したり味噌汁を追加する事でも塩分量が増えるため注意が必要です。

一方で、常温保存が可能な点が魅力のレトルトパウチの惣菜は主に塩分が控えめの商品が多く展開され、1品当たり1.5g以下の塩分の商品や塩分25%カット等と表記された商品等、塩分量やその記載にはばらつきがあり、利用する際にはやや分かりづらい印象もあります。

その上惣菜を組み合わせて使用する際には塩分量の計算が必要になります。

そのため、健康管理の一環で塩分に配慮したいという場合にはレトルトパウチの惣菜は便利に利用できますが、持病の治療等で医師から具体的なカロリーや塩分指示がある場合には高齢者向け宅配弁当を利用するのが適切な食事管理ができるという点でおすすめです。

持病の治療の一環で高齢者向け宅配弁当や惣菜を利用する際には必ず主治医やかかりつけの医療機関の管理栄養士に栄養成分が記載された商品紹介ページを見せて相談し、適切なカロリーや塩分で利用が続けられる様にしましょう。

高齢者向け惣菜の通販はメリットやの選び方を知って有効活用しよう!

通販で販売されている惣菜は買い物や調理の手間が省けたり、保存性が高いという点に優れますが、食事に惣菜を取り入れる目的や、その人の身体状況によって商品を選ぶ際のポイントは異なります。

通販で販売される惣菜を高齢者が利用する際の選び方のポイントは、自宅でより多くの数をストックしておきたい、災害時等いざという時のために備蓄食品として利用したいという場合には常温保存が可能なレトルトパウチタイプの惣菜が便利です。惣菜を選ぶ際に重要になるのが「食形態がその人に合っているか」といった点です。

食形態が合わない食事を続ける事は、充分な食事量が摂れず低栄養状態に繋がったり、誤嚥による肺炎の原因ともなり得ます。

そのため、メーカーごとのサンプル比較や「ユニバーサルデザインフード」の指標を活用して適切な食形態の惣菜を選ぶ事が大切です。

持病により食事制限がある場合には、カロリーや塩分が調整された高齢者向け宅配弁当やレトルトパウチの惣菜を利用する事で食事管理が簡単にできおすすめです。

持病の治療の一環で通販の惣菜を利用する際には主治医や管理栄養士に栄養成分等を見せて相談し、適切な食事管理が続けられる様にしましょう。

この様に、通販で販売される惣菜には、保存性が高く食形態や栄養成分が高齢者向けに設定されている商品も多いので、高齢者の健康的な食生活を支えてくれるでしょう。

>oharu(おはる)

oharu(おはる)

自身のスポーツ経験から管理栄養士を志し、大学卒業後総合病院の管理栄養士として8年勤務する中で高齢者の栄養サポートやがん患者に対する緩和ケア等のチーム医療にも参加。現在は幅広い年齢層を対象に予防医療の分野で活動中。

【所有資格】・管理栄養士・日本糖尿病療養指導士・病態栄養専門管理栄養士・がん病態栄養専門管理栄養士