高齢者にとっての手作りおやつのメリットとは!?作り方のポイントもご紹介!

手作りのおやつは素朴な味で子供から高齢者まで幅広い年代の人々の心を和ませます。

その他にも手作りのおやつは使用する材料や出来上がりの大きさを自由に調節できる、おやつ作りは手順を確認しながら作業をしたり、手先を使う事で心身の活性化に繋がるといった高齢者にとって嬉しいメリットがたくさんあります。

しかし、高齢者は噛む力や飲み込む力の低下や持病による食事制限、安全に楽しくおやつ作りをする工夫等、おやつを手作りする場合には配慮が必要な点も多く、どの様なおやつが適しているのか悩むといいった介護者の声も少なくありません。

本記事では高齢者にとっての手作りおやつのメリットと高齢者が安心して食べられる手作りおやつの作り方をお伝えします。

高齢者にとっての手作りおやつのメリット3選

高齢者にとっての手作りおやつのメリット3選

子供の頃に食べた懐かしいおやつは高齢者の心を和ませ、それを再現できるのが手作りおやつです。

また、高齢になると食が細くなる事や持病等で市販されているおやつは大きすぎる、甘すぎて持病の悪化が心配、そんな声も聞かれる事がありますが、手作りなら使用する材料や出来上がりの大きさを調節する事も可能です。

実際に高齢者がおやつ作りをする事で、心身の活性化にも繋がります。

本章では、手作りおやつを取り入れたくなる、高齢者にとっての手作りおやつのメリットをお伝えします。

市販のものでは再現が難しい懐かしいおやつの味を再現できる

高齢者が子供の頃に食べたおやつは年齢や住んでいた地域等によって人それぞれですが、さつまいも等の素材の味を生かしたおやつも代表的なものの一つです。

現代で市販されているものの中でも懐かしいおやつを再現したものもありますが、高齢者本人が家庭で食べた味とは異なる場合も多くあります。

その様な場合でも、一人一人の「懐かしい味」に近づける事ができるのが手作りおやつのメリットの一つです。

おやつの作り方やおやつにまつわる思い出話を高齢者本人から教えてもらう事で、会話も弾みます。

サイズや使用する材料が調節でき、身体に優しい

高齢になると食が細くなる、食べたものを消化する機能が低下するといった身体機能の変化が起こりがちです。

また、持病の治療を行う人も多くなり、治療の一環でカロリーや糖分の摂りすぎに気をつける様に医師から指示される事もあります。

現代は和菓子や洋菓子等市販されるおやつも多岐にわたりますが、「サイズが大きすぎておやつに食べると次の食事までお腹が空かない」、「甘みが強かったり油っこいものも多く、カロリーや糖分が気になってしまう」そんな声が介護者や高齢者本人から聞かれる事もあります。

手作りのおやつであれば、使用する材料の量を調節する事で出来上がりのサイズを小さめに調節する事ができますし、砂糖や油の使用量も加減ができるためカロリーや糖分を控えめに仕上げる事も可能です。

高齢者の身体に優しいのも、手作りおやつのメリットです。

高齢者がおやつ作りに参加する事で、心身の活性化に繋がる

高齢者は普段の生活がワンパターン化しやすく、刺激が少ない事や身体活動が減少する事が気分の落ち込みや物忘れをしやすいといった症状に繋がる事もあります。

しかし、おやつを手作りする際には、手順を確認しながら作業をしたり、手先を使って形を作ったり盛り付けを行います。この様におやつ作りは高齢者の心身を活性化する事に繋がるため、高齢者施設等では施設のスタッフのサポートを受けながら高齢者自身がおやつ作りをする「おやつレク」という活動を取り入れている施設も多くあります。

家庭でも、家族と会話を楽しみながらおやつを手作りする機会を設ける事で日常生活に変化が生まれ、高齢者の会話や笑顔が増えるといった心身の活性化が期待できるでしょう。

高齢者も安心して食べられる、手作りおやつのポイントは!?

高齢者も安心して食べられる、手作りおやつのポイントは!?

高齢になると、噛む力や飲み込む力の低下や持病があるといった身体状況の変化が起こりがちです。

前章では高齢者における手作りおやつのメリットをお伝えしましたが、メリットを最大限に活かすためには高齢者の身体状況に配慮したおやつである事が重要です。

本章では、高齢者も安心して食べられる手作りおやつのポイントについてお伝えします。

軟かく飲み込みやすい食形態のおやつを作る

高齢になると歯が弱くなり硬いものが食べにくくなったり、食べ物を飲み込む力が弱くなるといった事が起こりやすくなります。

そのため、高齢者のために手作りのおやつを用意するのであれば、軟かく飲み込みやすいものがおすすめです。

軟かくて飲み込みやすいおやつで代表的なものが、舌触りが滑らかなゼリーやプリン等です。

ゼリーを作る際にはゼラチンを加えて固形化しますが、食べ物を飲み込む力が弱くなっている高齢者にとって最も飲み込みやすいのが液量の1.6%程度のゼラチン濃度であると言われています。

例えば、80mlのジュースを使って1人分のゼリーを作る場合には、1.3g程度のゼラチン使用量になります。

飲み込みやすい硬さのゼリーを作っても、一口大が大きい事でむせてしまう事も多いため、口に運ぶ際はティースプーン一杯程度の量にしましょう。

また、私たち一般的な成人にとっては軟かく食べやすいおやつでも、高齢者にとっては食べにくいものもあります。

それがカステラやケーキ等の焼き菓子です。

高齢になると唾液の分泌量も減少するため、水分の少ない焼き菓子は喉に詰まりやすく、口の中でばらけてむせる原因となる事もあります。

焼き菓子を作る場合には、フルーツソースやシロップを焼き上がりの生地に染み込ませたり、生地に生クリームやバター等の油分を多めに加えて焼き上げる事でしっとりと仕上がり、食べやすくなります。

必要に応じて、糖分や油の使用量を調節する

一般的なおやつは市販品、手作りに関わらず砂糖やバター、生クリーム等の油をふんだんに使用する傾向があります。

しかしそれは、おやつからカロリーや糖分の摂りすぎに繋がったり、食べ物を消化する機能が低下しがちな高齢者にとっては、食べた後の不快感に繋がる事もあります。

のため、持病の治療等でカロリーや糖分を摂りすぎない様医師から指示がある場合や、普段から食後に不快感を訴える事が多い場合等は、おやつ作りの際には砂糖や油の使用量を控えめにする必要があります。

特に砂糖の量を減らす事はよく「美味しく仕上がらないのではないか」という不安な声が聞かれますが、例えばプリン等にかぼちゃやさつまいも、バナナ等甘味のある素材を使い、プリン液には砂糖を加えずに糖分はカラメルソースのみで仕上げても美味しく仕上がります。

また、糖分を減らすもう一つの方法として、最近はスーパーやドラッグストアでも簡単に手に入る様になった低カロリーやカロリーゼロの甘味料を砂糖の代わりに使用するという方法もあります。

使用する際の注意点として、商品によって砂糖と同量で置き換えられるものと、砂糖よりも甘味が強いため砂糖よりも少ない量で甘味が感じられるものがある事や、顆粒タイプ、シロップタイプがあり適する用途が異なる事等が挙げられます。

この場合、冷たいおやつにはシロップタイプが溶けやすく便利です。生クリームを使用するお菓子は牛乳や豆乳に代替する事で、油分を抑え、カロリーを控えめに仕上げる事ができます。

高齢者がおやつ作りに参加する場合は「楽しさ」や安全も大切に

前章でお伝えした「おやつレク」の様に、高齢者がおやつ作りに参加する事は心身の活性化に繋がります。

その効果をより引き出すためにはおやつ作りの内容が高齢者が楽しいと思えるものである事、安全におやつ作りができる事も大切なポイントです。

例えば、たこ焼き機にホットケーキミックスとチョコレート、バナナ等を加えて甘いたこ焼き風のおやつを作りながら作る工程を楽しんだり、七夕にはゼリーに果物やクリームで思い思いのトッピングをして季節感を感じられる様にするのも良いでしょう。

また、これは高齢者がおやつ作りに参加する場合に限らず、家族が家庭でおやつ作りをする場合にも言える事なのですが、衛生管理や調理中の事故を防ぐ安全性への配慮は重要です。抵抗力が低い高齢者は発症すると症状が重症化しやすい食中毒は家庭で発生する事が多く、使用する食材の保管方法や温度が不適切であったり、調理の際に衛生管理が不十分である事によって起こります。

おやつ作りをする前や次の工程に移る前、出来上がったおやつを食べる前には手洗い、手指消毒を行い、使用する器具や保存する容器、おやつを食べる食器はよく洗浄して乾燥させたものを使いましょう。

予めフルーツ等をカットしておく場合や卵を割っておく場合は当日に作業し、使う直前まで冷蔵庫で保管します。

調理中のけがややけどといった事故を防ぐために、包丁は使ったらすぐしまう、調理器具が高温になっている場合は注意喚起の声がけをするといった配慮も必要です。

高齢者にとって手作りおやつはメリットがたくさん!身体状況に合ったものを選ぼう

手作りのおやつは使用する材料や出来上がりの大きさを自由に調節できる、おやつ作りは手順を確認しながら作業をしたり、手先を使う事で心身の活性化に繋がるといった高齢者にとって嬉しいメリットが多くあります。

しかし、高齢者は噛む力や飲み込む力の低下や持病による食事制限、安全に楽しくおやつ作りをする工夫等の配慮が必要な点も多くあります。

噛む力や飲み込む力が弱くなっている場合にはプリンやゼリー等の滑らかな食感のおやつを選んだり、パサつきやすい焼き菓子はシロップや油分でしっとりさせる工夫ができます。

持病等によりカロリーや糖分を控えたい場合には甘みのある素材を使う、低カロリー甘味料の使用、脂肪分が少ない素材を使う事でカロリーや糖分を控える事ができます。

高齢者がおやつ作りに参加する場合は調理工程がユニークなものや季節感を取り入れたおやつは高齢者も楽しめます。

>oharu(おはる)

oharu(おはる)

自身のスポーツ経験から管理栄養士を志し、大学卒業後総合病院の管理栄養士として8年勤務する中で高齢者の栄養サポートやがん患者に対する緩和ケア等のチーム医療にも参加。現在は幅広い年齢層を対象に予防医療の分野で活動中。

【所有資格】・管理栄養士・日本糖尿病療養指導士・病態栄養専門管理栄養士・がん病態栄養専門管理栄養士